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独立系FP(お金の先生)という生き方

独立系FPに必要な「顧客数」はどれくらい?

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

独立系FPは特定の金融機関に所属せず、個人として活動することで、より中立的かつ柔軟なアドバイスを提供できるのが特徴です。

一方で、まだ日本では独立系FPとして活躍している人が少ないため、どれくらいの活動量でいくら稼げるのかが、わかりづらい現状があります。

本記事では、独立系FP歴10年の僕自身の経験も踏まえて、独立系FPに必要な「顧客数」を解説いたします。

年収1,000万円を稼ぐには

独立系FPと一口に言っても、その働き方にはさまざまなスタイルがあります。相談業務のみで報酬を得るタイプであれば、収益構造もシンプルで計算しやすいでしょう。

しかし、何かしらの商品販売を伴う場合、報酬の仕組みが複雑になるため、特にこれから始める人にとってはマネタイズを理解しづらい側面があります。そこで本記事では、商品販売を含むFPの働き方に焦点をあて、実際の収益構造について具体的に解説していきます。

わかりやすく、年収1,000万円を稼ぐにはどれくらいの顧客数が必要なのかを計算してみましょう。

保険販売で計算した場合

独立系FPが保険販売を行う場合は、たくさんの保険会社を取り扱い、中立的な立場から最適な保険をご提案することになります。その契約時に販売手数料(コミッション)が発生します。

ここでは、以下の条件で試算します。

・1件あたりの年間保険料:5万円(=月額約4,200円)
・コミッション率:50%(保険会社や代理店により異なるが一般的な水準)
・1契約あたりの収入:25,000円

したがって、年収1,000万円を達成するには…
1,000万円÷25,000円=400契約
つまり、400件の契約が必要になります。

ただし、1人(または1世帯)で複数の保険商品を契約するケースが多くあります。

たとえば、以下のような構成が考えられます。
・死亡保険 × 2(本人・配偶者)
・医療保険 × 2(本人・配偶者)
→ 1世帯で4契約

この場合、実際に必要となる顧客数(世帯数)は
400契約÷4契約/世帯=100世帯
つまり、約100世帯の顧客を抱えることで、年収1,000万円に届く計算になります。

IFA(証券ビジネス)を主軸とする場合

IFAとは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」の略で、証券会社の取り扱う金融商品を提案する立場のFPです。IFAの収入源は主に以下の2つです。

① 金融商品の販売手数料
・顧客が100万円分の金融商品を購入
・コミッション率:3%
→ 1回の購入で得られる収入:3万円

この場合、年収1,000万円を達成するには
1,000万円÷3万円=約334件

仮に1人の顧客が平均2回購入してくれるとすると、
334件÷2回/人=約167人
つまり、約167人の顧客で販売手数料による年収1,000万円が実現できます。

② 預かり資産のフィー(残高報酬)
・1人あたりの平均預かり資産1,000万円
・年間フィー率:0.5%(一般的な水準)
・年間収入:5万円/人

この場合、年収1,000万円を達成するには
1,000万円÷5万円=200人です。


もし、販売手数料とフィー収入を50%ずつに分散できたとすると、
・販売手数料収入:500万円 → 顧客数 約84人
・残高フィー収入:500万円 → 顧客数 100人
これらの顧客は重複していても構いません。

これが、IFAとして年収1,000万円を目指すための現実的な顧客数となります。

より効率的にマネタイズする方法

金融業界の未経験者にとっては、もしかしたら「難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、保険やIFAを組み合わせれば、より少ない顧客数で年収1,000万円を稼ぐことができます。

もっというならば、保険やIFAだけに縛られず、
・金融教育スクール
・不動産仲介
・記帳代行
などを組み合わせれば、さらにマネタイズはしやすくなります。

独立系FPの「マネタイズ手段」や「おすすめのブランディング戦略」について詳しく知りたい方は『他のFPと差をつける!独立系FPのブランディング戦略』をご覧ください。

いかがでしたか?

独立系FPとして働いている日本人はまだ少ないですが、これから徐々に活動する人も増えていくと思います。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

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