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独立系FP(お金の先生)という生き方

「経済合理性」と「信念」の狭間で

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

ノウハウ系のことばかり書いていても飽きるので、定期的に「独立系FP社長の想い」でマインド面の発信。

今回は会社経営の7年間で葛藤してきたことについて。

「経済合理性」と「信念」とは

会社経営の現場では、両者がしばしば対立することがある。

まずは言葉の定義付けから。ChatGPTによるとこうらしい。

経済合理性

限られた資源を使って最大の利益や効用を得ようとする考え方。意思決定において、コストとベネフィットを比較し、もっとも効率的・合理的な選択をすること。

経済合理性

事実かどうかに関わらず、自分が「正しい」「こうあるべき」と強く思い込んでいる考えや価値観。経験や感情、文化的背景に基づくことが多い。

どちらも人の意思決定に大きく影響するけど、「経済合理性」は客観的な損得に基づく判断であるのに対し、「信念」は主観的な価値判断や思い込みによる行動原理といえる。

どんな葛藤を抱えてきたか?

会社経営者は常に意思決定の連続。

会社における責任者のトップのため、あらゆる意思決定に重大なプレッシャーがかかる。

そんな大事な意思決定の時に、経営者の判断を揺るがす1つが「経済合理性」と「信念」 。

  • ビジョンとはズレるけど、成長している競合他社を真似するかどうか
  • 優秀な人を集めるか、優秀な人を育てるか
  • 能力の低い人を見捨てるか、頑張っているなら育てるか
  • 儲かりそうだけど楽しくなさそうな事業に手を出すか
  • 簡単なことで利益をあげるか、難しいことにチャレンジするか
  • トラブル時に、法的範囲を超えて顧客に対する責任を取るか

挙げればキリがないけれど、「経済合理性」と「信念」のどちらを選択するべきかを迫られることはよくある。

経済合理性 ≒ 信念の人は判断に迷うことは少ないと思うけど、僕の場合はこれが相反することが多い。

この葛藤に終止符を打った

僕には「長期ライバル」がいる。

長期ライバルとは、『強運の法則』という本で定義されている「一生かかっても追いつけないと感じる人」のこと。

4年前に長期ライバルを設定したけれど、先日その人の話を直接聞ける機会があった(会話したわけではない)

その時に、この葛藤を終わらせようと思った。

僕は経済合理性よりも「信念」を貫こうと。

というよりも、いつも意思決定に揺れながらも最終的に「信念」を優先しているので、悩むだけ無駄だなと。

でも、この「悩むことをやめる」という意思決定をできたことは自分にとって大きい。

時間削減になるのもあるけれど、それ以上に「覚悟」が生まれるから。

そもそも、起業したのは儲けるためではない。

もちろん自分が豊かになりたい気持ちもあったけれど、少なからず「社会を変えたい」と思う気持ちがあったからだ。

そこで「信念」よりも「経済合理性」を優先していては、起業をした意味がない。

「信念」を貫いた先に目指すもの

ただ、信念を貫いたからといって、会社を伸ばせないのは経営者としてカッコ悪い。

だから、決めたことは「信念を貫いた先で、経済合理性を超える瞬間を創る」こと。

短期的には経済合理性に負けることはあるけれど、長期的には「信念こそ経済合理性だったよね」と言える瞬間を創る。

そのイメージはできているから、きっと実現できる。

そのためにも、より経済合理性を身に着けていく。

本当に大事な信念を曲げないためにも、経済合理性に基づく日々の判断は必要だから。