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独立系FP(お金の先生)という生き方

保険のフルコミ営業はきつい?特徴やメリット・デメリットを解説!

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

僕はこれまで、約10年間にわたり独立系FPとして活動してきました。その中でたくさんの方から「保険のフルコミ営業ってどうなんですか?」と聞かれることがありました。

僕自身、独立系FPとしての活動はフリーランスのフルコミッションから始まりました。また、保険のフルコミ営業で働いている仲間も多くいるため、やりがいや苦労についてもよく理解しています。

今回は、そういったフルコミの保険営業の世界について、僕自身の体験や周りのリアルな声をもとに、メリット・デメリットを具体的に解説していきます。

また、FP業界に関心があるけれどフルコミには抵抗がある方や、もっと自由なFPの働き方を目指したいという方にも役立つ内容をお届けします。

FP技能士の資格を取っている方や、これからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

フルコミ営業とは何か?

そもそもフルコミ(フルコミッション)営業とは何でしょうか?営業の世界ではよく聞く言葉ですが、改めて前提からお伝えすると共に、保険業界におけるフルコミの意味合いについても解説します。

フルコミ営業とは「完全歩合制」の仕組み

フルコミ営業とは、基本給がなく、成果によって報酬が決まる完全歩合制の働き方です。

働いた時間や努力よりも、結果がすべてという世界です。売上がない月は収入もゼロになるため、最初の数ヶ月は特にプレッシャーを感じる方が多いです。ただ、成果を出せば大きな報酬が得られるという期待もあります。

ちなみに、保険業界におけるフルコミ営業に関しては、最初の2年間だけは基本給が出るケースが多くあります。その2年間で営業スキルを身につけ、3年目以降は基本給なしでも生活できるよう自立することが求められます。

保険業界でフルコミが多い理由

保険業界では、フルコミ営業が多く採用されています。

理由としてまず挙げられるのは、稼ぎたいという強い動機を持つ人材を集めやすい点です。完全歩合制にすることで、やる気のある人ほど応募してくる傾向があるからです。

さらに、保険の営業は「目に見えない商品」を扱う仕事です。そのため、商品そのものよりも「誰から提案されるか」が重視されます。自立した考えを持ち、自分の意思でフルコミに挑むような人ほど、顧客からの信頼を得やすく、成果にもつながりやすいため、業界としてもそういった人材を求めやすいフルコミの仕組みが根づいています。

そして、営業成績に個人差が大きいことも理由の1つです。結果を出す人とそうでない人の差がはっきりしているため、営業マンを雇用する企業としては、固定給を支払うよりも、成果に応じて報酬を支払う形のほうが経営リスクを抑えやすいのです。

フルコミ営業のメリット

フルコミ営業には不安を感じる人がいる一方で、それ以上の魅力を感じてこの道を選ぶ人も多くいます。ここでは、僕自身や周囲の経験をもとに、フルコミ営業のメリットを3つご紹介します。

収入の上限がない

最大の魅力は、成果を出せば出すほど収入が増える点です。会社員であれば、どれだけ頑張っても月給には限りがありますが、フルコミでは上限がありません。

僕の友人には、年収1億円を超える保険営業の方が5人以上、1,000万円を超える方も30人以上います。努力した分がそのまま報酬に反映されるのは、大きなやりがいとなっているようです。

働き方の自由度が高い

フルコミ営業は、勤務時間や働く場所を自分で決めることができます。会社に出社する必要もなければ、誰かに指示されることもありません。

僕の知人も「平日の昼間に家族と過ごせる」「旅行をしながらも働ける」など、働き方の自由さを実感しています。人に管理されるのが苦手な方にとっては、とてもおすすめの働き方です。

年齢・性別が関係ない

フルコミの世界では、年齢や経験年数よりも、どれだけ成果を出したかが評価の基準になります。

だからこそ「社内の人間関係に左右されない」「実力主義だから納得できる」という声をよく聞きます。保険営業の友人たちも、そうした評価の仕組みにやりがいを感じているようです。

フルコミ営業のデメリット

成果次第で収入が大きく増えるという点はフルコミ営業の魅力ですが、それと表裏一体で、リスクや負担も伴います。僕自身もフルコミッションで独立した経験があるので、その厳しさは少なからず実感しています。

ここでは、保険営業をしている友人たちの話も交えながら、現場でよく聞く「しんどさ」についてお伝えします。

収入が安定しない

デメリットの1つめは、収入が不安定になることです。契約が取れなければ報酬もゼロになるため、特に新人のうちは毎月の生活費をどう工面するかに悩む人が多いです。

僕の知人も「月によって収入が数万円になることもある」「契約が取れないと生活が不安になる」といった話をよくしてくれます。家族がいる場合は、なおさらプレッシャーが大きいです。

経費が自己負担になる

フルコミ営業では、会社から交通費や通信費が支給されないケースもよくあります。名刺、資料、営業活動のための移動費まで、すべて自腹という場合も少なくありません。

保険営業をしている友人は「1ヶ月で10万円以上の経費がかかることもある」と言っていました。契約がうまく取れればいいですが、成果が出ない月は赤字になる可能性もあります。

自己管理が求められる

フルコミ営業は自由度が高い反面、すべてを自分で管理しなければいけません。もちろん、新人の場合はマネージャーがサポートに入りますが、目標を立てるのも、スケジュールを立てて行動するのも基本的には自分次第です。

人間誰もが、やるべきことが分かっていても、気持ちが乗らなかったり、監視されていないことでサボりたくなったりすることがあります。僕もフリーランスで独立系FPをはじめたての時は、自己管理に苦労しました。

フリーランスの仲間を作ったり、自分を律する環境を整える工夫が必要です。

保険のフルコミ営業以外の選択肢

僕のもとには、FP業界に関心があるけれど、「保険を売りたいわけではない」「収入が安定しないのは困る」という相談がよく寄せられます。

そんな相談に対して、いつも僕が回答している内容をまとめます。

副業から始めるという選択

いきなりフルコミで独立するのが不安な方は、FPを副業からスタートするのも一つの方法です。まずは週末や平日のすきま時間に、お金の勉強や相談対応を始めてみるのもおすすめです。

実際、僕自身も副業からFPを始めました。また、僕が運営する独立系FP養成スクールの多くの受講生も会社員のまま学び始め、少しずつ実践に移しています。

いきなり収入をFP一本に絞る必要はありません。少しずつ経験を積みながら、自分のペースで方向性を決めていけばいいと思います。

独立系FPという道もある

保険の販売に偏らない「独立系FP」としての働き方を選択するのもおすすめです。僕が10年前から活動しているのはこのスタイルです。特定の保険会社や商品に縛られず、お客様の人生全体に寄り添う支援ができます。

保険の営業では「この商品を売らなければならない」といった制約があり、それが精神的にもビジネス的にも大きなプレッシャーになります。

でも独立系FPは、売る商品が決まっていないぶん、相談内容に応じて中立的な情報提供が可能です。一つの商品を押し込むのではなく、お客様にとって本当に必要な提案ができるのです。

そのぶん信頼される存在になりやすく、リピーターや紹介につながりやすいと実感しています。

いかがでしたか?

フルコミ営業は、やった分だけ稼げるという魅力がある一方で、収入の不安定さや自己管理の厳しさといった現実もあります。

そして、保険のフルコミ営業だけがFPとしての道ではありません。副業として少しずつ始めることもできますし、僕のように特定の商品を売らない独立系FPとして、お客様本位のサポートをしていくこともできます。

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