【週末FP】で年収300万円は可能なのか?

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
僕が独立系FPとして活動を始めたのは、10年前のことです。当時は会社員として働きながら、土日を使ってFPの相談に応じていました。お金の知識を活かして人の役に立てるこの仕事に、すぐに魅了されました。
今では、かつての自分と同じように「本業を続けながらFPとして収入を得たい」という人たちの相談を受ける立場になりました。特にここ数年で「週末FP」と呼ばれる働き方が注目されるようになり、広告やセミナーも増えています。
そこで今回は、僕自身の経験をもとに「週末FPで年収300万円は本当に可能なのか?」というテーマについて、現実的な視点からお伝えしていきます。
もしあなたが「週末の時間を使って副収入を得たい」と考えているなら、この記事が何かの参考になれば嬉しいです。
最近よく見る「週末FP」の広告について
最近、「週末FPで安定収入を目指せる」という広告をよく見かけます。内容を見ていると、未経験でも始めやすく、副収入として魅力的に見える構成が多いです。
広告でよく使われている訴求ポイントには、以下のようなものがあります。
・本業と同じくらいの副収入が期待できる
・顧客の悩みに合わせた課題解決ができる
・ビジネスとして将来性がある
・土日の活用だけで稼げる
どれも一見すると魅力的に聞こえますし、実際に僕が会社勤めの傍らで週末FPを始めたきっかけは「土日だけで少しでも稼げるならやってみよう」という気持ちからでした。
ただし、こうした訴求は「簡単に稼げる」と誤解されやすい点には注意が必要です。FPという仕事は、人の人生に深く関わる責任ある仕事です。
次の章では、それぞれの訴求内容について、僕自身の体験も交えて具体的に解説していきます。
本当に「本業と同じくらいの副収入」が期待できるのか?
結論からお伝えすると、頑張り次第では本業と同じくらいの副収入を稼ぐことができます。
僕自身、10年前に週末FPをやってみて、本業の収入を超えたことをきっかけに独立しました。
平日は会社で働き、週末はFPとしての面談や提案書作成、セミナー準備に明け暮れる日々でした。結果的に、初年度から年収400万円ほどの副収入を得ることができました。
ただし、その生活をずっと続けられるかというと、正直に言って厳しいと感じました。人生の頑張り時だと思って1~2年であれば休みなく働けるかもしれませんが、それを5年や10年も続けられる人はほとんどいないと思います。
また、FP1本で独立しようと思ったのは体力的な面に加え、責任感からでした。FPの仕事は、お客様の人生設計に関わる大切な業務です。
不十分な金融知識のまま顧客対応を続けていると、かえって損失を与えてしまうリスクもあります。余裕を持って勉強時間を確保するためにも本業の会社をやめて、FP1本に切り替えました。
まとめると、「本業と同じくらいの副収入を得ることは可能」です。ただし、「1~2年が限界」だと思っておいた方が良いです。
本当に「顧客の悩みに合わせた課題解決」ができるのか?
週末FPの活動では、会社員としての働き方ではなく、業務委託のフリーランスとして働くことになります。そのため、商品を売ることのノルマなどは発生せず、顧客の悩みに合わせた課題解決はできます。
実際、家計の見直し、教育資金の準備、住宅ローンの返済計画、老後資金の確保など、お客様の悩みは本当に多様です。もし自分が会社員として保険や証券を扱う立場であれば、どうしても提案が自社商品に偏ってしまいます。
一方で、週末FPとして企業に縛られないFP(独立系FP)の活動をしていれば、中立的な立場から一人ひとりに合った解決策を考えることができます。
ただ、独立系FPとして活動するには、広い知識が必要になります。保険、税金、年金、資産運用、不動産、相続など、学ぶべきことは尽きません。僕も最初は、知らない分野に直面するたびに、資料や専門書を読み込んで学び直していました。
さらに、場合によっては、専門家との連携が不可欠です。たとえば、税理士や司法書士、社会保険労務士と協力しなければ、顧客の悩みを解決できない場面もあります。
週末FPは「顧客の悩みに応じた課題解決が可能」ですが、そのためには「幅広い知識」と「信頼できる人脈」が欠かせません。
ビジネスとして将来性がある?
これは僕が10年間活動してきた経験から、確信を持って言えます。週末FP(独立系FP)は将来性のある仕事です。
1番の理由は、お金の相談したい人はどの時代でも必ずいるからです。特に、近年はどんどん増えています。
たとえば、年金だけでは老後が不安な人、子どもの教育費に不安を感じている人、住宅ローンの返済に悩む人などがいます。それを解決するためのネット情報は増えましたが、どれが自分に合っているのかはわからないのが今の現状です。
僕自身、最初は知り合いに頼まれて相談に乗っていただけでした。でもある時、紹介が紹介を呼び、気づけば相談件数が月に30件以上になるようになりました。広告を出さなくても仕事が増えていったのは、悩んでいる人がそれだけ多いという証拠です。
そして、独立系FPの仕事は「信用」さえ大切にしていれば、長くビジネスとして成り立つ仕事です。僕自身、10年前から付き合いのある顧客もいますし、顧客の数は年々増えていっています。
転職、結婚、出産、引越し、相続などのライフプランのたびに顧客は僕に相談をくれます。そのたびに自分の金融知識が役立つのは嬉しいですし、収益にもつながるので感謝の気持ちでいっぱいです。
僕は今、FPとしての活動に加え、後進の育成にも力を入れています。「FPを目指したいけれど不安がある」という方に向けて、経験を伝える場も広がっています。
結論として、「週末FP(独立系FP)は将来性のあるビジネス」です。世の中に「お金」がなくならない限り、必要とされる仕事です。だからこそ、真剣に学び、信頼されるFPになれば、長く続けられる職業です。
本当に「土日の活用だけで稼げる」のか?
週末FPの広告では「土日だけで副収入を得られる」という言葉をよく見かけます。これに関しての僕の意見は「半分だけ同意」です。
実際に僕も最初の3ヶ月ほどは土日中心でFP活動をしていましたが、それだけでは十分なスキルを習得することはできませんでした。
たしかに土日を活用すれば、面談やセミナー、資料作成の時間は確保できます。でも、すべての土日が使えるわけではありません。家族の行事、体調不良など、予定通りにいかない日もありました。
そこで僕は、平日の夜も活用するようにしました。たとえば、仕事後の1〜2時間を使って資料を作成したり、オンライン面談を行ったりすることで、対応件数を増やすことができました。最初は大変でしたが、この時間が収入の安定につながりました。
また、お客様の都合もバラバラです。平日の昼に時間がある人もいれば、夜でないと話せない人もいます。柔軟な時間設定ができることが、信頼関係にもつながりました。
結論として、「土日だけで稼ぐことは不可能ではない」が、「現実的には工夫と調整が必要」です。特に、副収入として安定させるには、平日の一部も使えるような体制を整えるのが理想です。
いかがでしたか?
結論から言うと「週末FPで年収300万円は可能」です。実際に、僕自身も達成することができました。
ただし、それは「楽に稼げる」という意味ではありません。本業と両立しながら結果を出すには、かなりの工夫と努力が必要です。
その一方で、やればやるほど力がつきます。相談を重ねるたびに知識が深まり、提案の幅も広がっていきます。そして、お客様に「ありがとう」と言われた時の喜びは、数字以上の価値があります。
僕の周りにも、平日夜や土日を活用して収入を増やしている仲間がいます。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。
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