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独立系FP(お金の先生)という生き方

ファイナンシャルプランナーとは?実務経験10年のFPが仕事内容・年収・やりがいを伝えます

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

ここ数年、ファイナンシャルプランナーという仕事に注目が集まっています。僕のところにも「どうすればFPになれますか?」という質問が増えてきました。

今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の仕事内容・年収・やりがいについて網羅的にまとめます。

ファイナンシャルプランナーに関する記事は世の中にたくさんありますが、今回は実際にFP業を10年間続けている僕が実際に見てきたことや感じていることを踏まえて、解説していきます。

ファイナンシャルプランナー(FP)が注目を集めている理由

そもそも、ファイナンシャルプランナーはなぜ人気が高まっているのでしょうか?僕は大きく2つの時代背景があると考えています。

FPは資格ランキングで1位!

FP技能士の資格は、現在とても人気を集めています。資格取得サイトのランキングでは、何度も1位に選ばれています。

僕がFPを目指したころは、そんなに知られていなかったので、家族や友人に「何それ?」とよく言われました。でも今では、FP資格を「キャリアの武器にしたい」「副業として始めたい」という人が増えています。

資格を取ったあとにどう活かすかが重要ですが、それでもこの注目度の高さは、時代の変化を表していると思います。

日本は投資ブームの真っただ中

今の日本は、まさに投資ブームの真っただ中です。

NISAなどの新しい制度もどんどん始まり、若い世代を中心に「お金を増やすこと」に関心を持つ人が増えています。僕の周りでも、つみたて投資を始めたり、保険の見直しをする人が急に増えました。

でも、その一方で「何を信じていいかわからない」という声もよく聞きます。そんなときに頼れる存在が、ファイナンシャルプランナーです。中立的な立場で話を聞き、将来の見通しを一緒に考えることができます。

FPはこれからさらに活躍の場が広がっていく仕事だと、僕は実感しています。

ファイナンシャルプランナー(FP)とは?

ファイナンシャルプランナーという言葉を聞いたことがある人は多いですが、具体的にどんな仕事なのかを知っている人は多くありません。

「お金」に興味がある人にとっては、とても魅力的な仕事だと思います。

お金に関する悩みを解決する専門家

ファイナンシャルプランナーは、お金に関する悩みを解決する専門家です。

相談の内容は、保険、家計、老後資金、教育資金、住宅購入、相続まで多岐にわたります。僕もこれまでに、何百人ものお客様と向き合ってきましたが、一つとして同じ相談はありませんでした。

人によって収入も家族構成も価値観も違うので、マニュアルでは対応できません。だからこそ、お客様の人生に寄り添いながら、本音で話せる信頼関係が大切になります。

「銀行員?保険屋さん?」

僕がこの仕事を始めたころは、今ほどファイナンシャルプランナーという言葉は知られていませんでした。

自己紹介をすると、「それって銀行員?」「保険の営業のこと?」と聞かれることが何度もありました。

しかし、FPの仕事は必ずしも銀行員や保険営業ではありません。「お金の課題を解決する」「お金の計画を立てる」という仕事はすべてファイナンシャルプランナーと言えます。

証券マンや不動産屋さん、税理士さんもFPと言える

証券会社で資産運用の提案をしている人、不動産会社で住宅購入の相談に乗っている人、税理士さんとして相続や贈与のアドバイスをしている人もファイナンシャルプランナーと言えると僕は考えています。

それぞれが専門分野の手段を用いてお金の課題を解決していますが、最終的な目的は共通して「お金に困らない状態をつくること」です。

ファイナンシャルプランナーは、これまで挙げた具体的な職業の上位概念だと考えることができます。もし、FPの仕事に興味を持っている人は、まずはFPにどんな職業の種類があるのかを調べてみましょう。

独立系FPと企業系FPの違い

ファイナンシャルプランナーには、企業系FPと独立系FPがあります。違いは「どこに所属しているか」です。

企業系は、銀行、証券会社、保険会社など、特定の企業に属して活動します。会社の商品を売ることが前提なので、提案の幅には限りがあります。

一方、独立系はどこの会社にも所属せず、お客様の立場に立って必要なものを選べます。保険、投資、不動産など、自由に組み合わせた提案ができます。

ちなみに、僕は10年前から独立系FPとして活動しています。お客様に対して「本当に良いと思えるものを提案したい」と思ったからです。独立系FPは勉強範囲が広かったりと、大変なことも多いですが、その分やりがいも大きいです。

FPの具体的な仕事内容

ファイナンシャルプランナーは具体的にどんな仕事を行うのでしょうか?僕の周りにはたくさんのFP仲間がいるのですが、仕事内容はさまざまです。いくつかのパターンに分けて解説します。

①家計やライフプランの設計

ファイナンシャルプランナーの基本は、家計と人生設計の見直しから始まります。

僕が担当する多くのお客様も「何から相談していいかわからない」という話から始まります。そんなときは、まず現在の収支を整理し、将来に向けての目標や不安を聞き出します。

家を買いたい、お子さんの進学資金が不安、老後に備えたいなど、話すうちに本人も気づいていなかった本音が出てくることがあります。それを一緒に言葉にしていくのが、ファイナンシャルプランナーの最初の役目です。

②保険の見直しや提案

多くのお客様が加入している保険は、多くの無駄が含まれていたり、逆に保障が足りていない場合があります。

僕が担当したあるご家庭では、5つの保険に入っていて、合計で月5万円以上支払っていました。内容を精査すると、同じ保障内容で月2万円台に収まることがわかり、大きな見直しにつながりました。

大切なのは、何かを売ることではありません。本当に必要な保障を、必要な分だけ備えることです。これを冷静に判断していくことがFPにとって大切です。

③資産運用のアドバイス

「お金は預金しておけば安心」という時代ではなくなりました。

僕のところにも「投資を始めたいけれど、何から手をつければよいか分からない」という相談が多く寄せられます。そんなときは、無理のない金額からの積み立てや、仕組みのシンプルな金融商品から始めるように提案します。

大きく増やすことよりも、まずは「続けられること」が何より大切です。焦らずコツコツと積み上げる考え方を共有することで、不安よりも前向きな気持ちを持ってもらえるようになります。

④不動産売買のアドバイス

お部屋探しや、不動産購入・売却もFPがサポートすることがあります。

あるとき、お客様から「この物件、どう思いますか?」と相談されました。見た目はきれいでしたが、場所や条件を調べると、資産価値が落ちやすい要素が多く含まれていました。

営業マンではない立場のFPであれば、第三者視点から「本当にその物件でいいのか?」を一緒に考えてあげることが重要です。

不動産は大きな金額を扱うことも多いため、そういったアドバイスは顧客にとって大きな価値提供に繋がります。

⑤相続・贈与など税金に関する助言

税金の話は、誰にとっても複雑でわかりにくい分野です。

税理士さんにしかできないことも多いですが、FPとして基本的な考え方や流れを伝えるだけでも、お客様にとっては大きな安心になります。

僕は、相続について不安を抱えていたご夫婦に、まず財産の棚卸しをしてもらい、将来どう分けたいかを整理するサポートをしました。その後、信頼できる税理士さんに引き継いだところ「最初に井さんに相談してよかった」と言ってもらえました。

⑥法人の財務アドバイス

個人だけでなく、法人の相談にも対応します。

特に小規模事業者の方は、事業と家計が一体になっているケースが多く、資金繰りや将来の出口戦略に悩んでいることが少なくありません。

僕が関わったある社長さんは、保険の整理をきっかけに、事業計画まで見直すことになりました。結果的に、無駄な経費が減り、会社のキャッシュフローが大きく改善しました。

そして、数字だけを見ず、経営者の「想い」もくみ取る姿勢が重要です。

⑦メディアや書籍での情報発信

最近では、SNSや書籍、講演などを通じて情報発信をするFPも増えています。

僕自身もブログやSNSで発信をしていますが、これが新しいお客様との接点にも繋がったり、メディア掲載の仕事に繋がります。自分の考えを言葉にすることで、信用を積み重ねていくことができます。

僕は実際にSNSの発信を通じて、メディア掲載に繋がり、そのメディアを見たJリーグチームから講演依頼をいただきました。

単なる集客目的ではなく、「誰かの役に立つために伝える」という姿勢が大切です。

業務範囲をどこまで広げるか?

ファイナンシャルプランナーの業務範囲は、とても広いです。

実際、僕のまわりでは、保険だけに特化した人、投資だけに強い人など、一部の分野に絞って活動している人が多いです。それでも十分に仕事になります。

ただ、僕が運営するワンクエスト(独立系FP養成スクール)では「すべてに対応できる」人材を目指しています。理由は、お客様が抱える悩みが一つではないからです。

幅広い知識と経験が、結果として「この人に相談すれば、何でも解決してくれる」という安心感につながります。

FPの年収の実態

「FP 年収」で検索すると、さまざまな情報がありますが、実態とは大きな乖離があるように感じます。ここでは僕自身が10年間FPをやってきた体感からわかる年収の目安をまとめます。

年収は0円から1億円まで幅広い

ファイナンシャルプランナーの年収は、実に幅が広いです。0円から1億円というと驚かれるかもしれませんが、それが現実です。

僕自身、独立した最初の年から今では大きく年収が変わっています。どんな働き方を選ぶかによって、年収の上限も下限も大きく変わります。

会社員:年収〜500万円

企業系FP、つまり特定の金融機関に所属して働くファイナンシャルプランナーの年収は、概ね250〜500万円が相場です。

たとえば「保険の窓口」などで勤務している方は、毎月安定した給料を得ています。集客も会社が行ってくれますし、やることも決まっています。生活の安定を第一に考える人には向いている働き方です。

ただし、会社の方針に従って働くことになるので、商品提案の自由度は限られます。ノルマがあることも多く、「もっとお客様に寄り添いたい」と感じて独立を目指す人も少なくありません。

フリーランス:年収100〜2,000万円

フリーランスとして活動する場合、年収は100万円から2,000万円とさらに大きく広がります。

僕もFPのお仕事は副業フリーランスからはじめました。

フリーランスは自由と責任が表裏一体です。ノルマも上司もいませんが、すべてを自分で決め、動かなければなりません。集客も工夫が必要です。

その一方で、信頼できる提携先やお客様が増えていけば、安定して高収入を得ることも可能です。僕の受講生にも、異業種から転身して2年で年収1,000万円を超えた方がいます。

時間にも場所にも縛られず、自分の力で収入を伸ばしていきたい人には、非常に向いている働き方です。

経営者:年収2,000万円〜

フリーランスのFPとして実績を積んでいくと、次のステージとして「経営」が見えてきます。

たとえば、金融教育会社、保険代理店、不動産仲介会社などを立ち上げるパターンがあります。

複数人のスタッフを抱える経営者として活動すると、扱える案件の規模も大きくなり、年収(年商)は大きく跳ね上がります。

ただし、マネジメントや仕組み作りといった新しい力も求められます。自分の「FPとしての職人」を超えたところで、試されるフェーズです。

大変さはありますが、より多くの人に価値を届けたいと思ったとき、この道は非常に魅力的です。僕自身、FP会社の経営者として、幸せな日々を感じています。

FPのやりがい

お客様の人生に深く関われる喜び

ファイナンシャルプランナーの1番のやりがいは、お客様の人生に深く関われて、様々なライフステージで力になれることです。

例えば、僕には20代前半からお付き合いのあるお客様がいます。最初のご相談は「保険の見直し」でした。職場が変わり、収入と保障のバランスを整えたいという内容でした。

そこから数年後、「引っ越しを考えているんです」と連絡をいただきました。家賃の負担と将来の貯蓄をどう両立するかを一緒に考え、最終的にはご希望に合うエリアで無理のない住まいを選ばれました。

さらにその数年後、「結婚をしたので住宅購入を検討したい」と相談がありました。頭金の準備やローンの組み方、団体信用保険の選び方など、何度も打ち合わせを重ねました。

その後も、「子どもの教育費が気になるので、資産形成を始めたい」と言われ、つみたての仕組みや分散投資の基本からご説明しました。そして最近では、「両親の相続についても、少しずつ準備したい」と新たなご相談を受けています。

一人の人生のさまざまな節目に寄り添いながら、ずっと信頼して声をかけてもらえる。そんな関係を築けるのが、ファイナンシャルプランナーという仕事です。

「井さんがいてくれて心強いです」と言われたとき、この仕事を選んで本当によかったと実感しました。

感謝の言葉を直接いただける仕事

お客様から「ありがとう」と言ってもらえる回数が多いのも、FPの仕事の大きなやりがいです。これは僕だけでなく、ワンクエストで活動する独立系FP仲間たちも口を揃えて言っています。

商品を売ることなく、ただ話を聞き、情報を整理し、次に何をすればいいかを一緒に考えるだけでもお客様にはとても感謝されます。

この仕事には、実際にいただける報酬(数字)だけでは測れない、大きな満足感があります。

自分自身の知識も資産も磨かれていく

ファイナンシャルプランナーは、人のために知識を使いながら、自分自身の人生も整えていける仕事です。

僕もこの10年、保険、投資、不動産、税金といった知識を学びながら、自分の家計や資産形成にも活かしてきました。FPの仕事をはじめるまでは、大した金融知識もありませんでしたが、今では賢く資産形成ができています。

知識が増えるほどお客様の力になれ、自分自身の資産形成も進む。それがFPの大きな魅力であり、やりがいです。

いかがでしたか?

ファイナンシャルプランナーは、お金に関する悩みを解決する専門家です。

保険、家計、投資、不動産、税金など、人生の大きな決断に関わる相談を、幅広く受けられるのがこの仕事の魅力です。僕自身、FPの仕事を10年続けてきて、とても素晴らしい仕事に出会えたなと日々実感しています。

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