BLOG 日本にお金を学ぶ文化を創る
独立系FP(お金の先生)という生き方

営業が苦手な人でも、FPとしてやっていける?

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

FPという仕事に興味を持っても「自分は営業が苦手だから無理かもしれない」と感じている方は多いです。ただ、僕はそれほど心配しなくてもいいと考えています。

むしろ、営業に苦手意識がある人ほど可能性があるとさえ思っています。

FPは営業力やトーク力が不可欠だと誤解されがちですが、そんなことはありません。僕のまわりの独立系FPには、口下手でも上手くいっている人はいます。

今回の記事では、営業に苦手意識を持っている人がFPとして活躍するためのノウハウを書いていきます。

FP技能士の資格を取っている方や、これからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

僕も営業経験はなかった

営業の経験がなくてもFPとしてやっていけます。なぜなら、僕自身がまさにその例だからです。

新卒で勤めたのは飲食系の企業でした。接客はほとんどすることなく、アルバイトのマネジメントや店舗経営に携わっていました。

その後に入ったのはIT企業で、社長秘書の業務を担当していました。社外の人と話す機会も多少ありましたが、主な業務は社内の調整やスケジュール管理でした。

いわゆる「営業トーク」や「クロージング」なんてことは、一度もしたことがありませんでした。

人と話すことは嫌いではなかったですが、初対面の人とは距離を取る癖があり、今でも積極的に誰かに話しかけることはありません。

それでも、独立系FPとして10年間やっていけています。

「売らない営業」が成功の鍵

そもそも、FPの仕事は「売ろう」としても上手くいきません。

僕も独立当初は「契約を取らなきゃ」と焦ってしまい、その余裕のなさが相手に伝わって成果が出ませんでした。

特に保険や投資など、お金に関する提案は警戒されやすいです。多くの人が「どうせ売りたいんでしょう?」という目で見てきます。それも無理はありません。これまで強引な営業にうんざりしてきた人がたくさんいるからです。

そんな時に、ある先輩FPに言われた一言で考え方が変わりました。「圧倒的に価値を提供し、売らない姿勢を見せれば、逆に顧客は買いたくなるよ」と。それから僕は、目の前の相手に価値を届けることに全力を注ぐようにしました。

不思議なことに、そのスタイルでFP活動をし始めてから、売上は上がっていきました。

そして、顧客から「契約したい!」と言ってくれた人とは、長期間にわたって良好な関係を築けています。短期的に見ても、長期的に見ても、「売らない営業」が成功の鍵だと感じています。

コミュニケーション術は学べる

「売らない営業」で良いとはいえ、最低限のコミュニケーション術はマナーです。口下手の人はコミュニケーションについて、本やYouTubeを通じて学びましょう。

話す力よりも大切なのは、相手の話を聴く力です。相手の話を遮らずに、最後までじっくり聴く。それだけで相手は「この人はちゃんと自分のことを考えてくれる」と感じてくれます。

そして、話す時には「型」を作ることが大事です。口下手だったとしても、プレゼンの型が決まっていれば、失敗することはありません。

僕らの独立系FPスクールでも、投資、保険、不動産、税金などのすべてのジャンルにおいて、まずはトークの型を覚えてもらっています。そうすれば、口下手の人でも一定の成果は出せます。

出会うまでに勝負を決める

営業に苦手意識がある人は、出会うまでの導線を工夫することで、どんどん成果を出していけます。

僕が独立したての頃は、見込み客に会ってから信頼を得ようと必死になっていました。ですが、そういう時ほど警戒されてしまい、会話がうまく進まないことが多かったです。

相手にとっては「知らない人が急に提案してくる」わけですから、それも当然です。その状態で契約を取れるのはコミュニケーションの天才で、営業のスーパーサイヤ人のような限られた人のみです。

僕自身、大きく流れが変わったのは、紹介をいただけるようになった時です。「〇〇さんの紹介なら安心」と言ってもらえるだけで、最初から信頼を持って話を聞いてもらえるようになりました。実際に紹介からの契約率は非常に高く、僕の経験上では9割近くがその場で前向きな反応をしてくれます。

また、今ではブログやSNSでも信頼構築を意識しています。たとえば、「お金の考え方」や「実際の相談事例」を発信することで、「この人に相談してみたい」と感じてもらうことができるのです。

独立系FPスクールの受講生でも、SNS経由で「相談したい」と連絡をもらっている人が増えています。

つまり、実際に会う前に「この人は信用できそうだ」と思ってもらえるようにすることが、成功への近道です。出会った後に勝負が決めるのではなく、出会う前に勝負を決めるのです。

顧客数よりもLTV(顧客生涯価値)

たくさんの顧客を集めなくとも、少ない顧客と深く長く関わることでも大きな成果は出せます。それがLTV(顧客生涯価値)を意識した働き方です。

独立初期の頃は、とにかく顧客の数を追い求めていました。新規面談を詰め込み、土日も対応し、常に「次の相談予約」を気にしていました。でも、そういう時ほど一人ひとりと深く関わることができず、単発で終わるケースが多かったです。

ある時、ふと「このままだと一生走り続けないといけない」と感じました。そこで思い切って、契約人数を追うのではなく、目の前の人に全力で向き合うスタイルに切り替えました。

すると、不思議なことに一人の顧客との関係が長くなり、他のサービスの相談をもらえるようになりました。家計見直しから、保険の見直し、住宅購入、老後資金の計画まで、時間をかけて信頼関係を築くことで、自然と支援の幅が広がったのです。

現在は単発の相談ではなく、継続的な支援を前提とした関係づくりが基本のスタイルになっています。また、既存の顧客からの紹介や相談のリピートが増えることで、無理に新規集客をする必要もなくなりました。

顧客数を追うよりも信頼を深めてLTVを高める方が、安定していてやりがいも大きいと実感しています。

いかがでしたか?

営業が苦手でも、FPとして成功することはできます。大切なのは、売ることではなく信頼を築く姿勢です。

もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

「未経験から独立系FPを育成する講座」の新規受講者も募集しております。僕や実際に独立系FPとして活躍する先輩が相談に乗りますので、ご興味のある方はお気軽にカウンセリングフォームからお申し込みください。