独立系FPから不動産仲介業で開業した事例

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
僕が運営する独立系FPスクール(ワンクエスト)では、これまでにたくさんの生徒が独立を果たしており、その中には不動産の道へ進んだ人もいます。
今回は「独立系FPの経験を活かして不動産仲介業を開業する」という選択肢について、実例も交えてお話ししていきます。
FP技能士の資格を取っている方や、これからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
独立系FPから◯◯の専門家へ
独立系FPは、金融の知識を幅広く学べる職業です。
保険、投資、住宅ローン、年金、税金、教育資金、相続といった分野を全体的にカバーします。そのため、その中から自分の得意分野を見つけて専門性を深めることができます。
ワンクエストの生徒でも、独立系FPの学びを経て不動産業界へ進んだ方がいます。これまでに3人が本格的に不動産仲介業を始めています。
たとえば、ある生徒は最初は保険の見直し相談をしていたのですが、住宅購入の話になったときに「どうせなら、物件も一緒に探して提案できた方がいい」と思い、宅建の資格を取得して不動産仲介業をスタートしました。
また、独立系FPを続けながら、物件の紹介や契約サポートもする、いわゆる「兼業スタイル」の方も増えています。金融の相談から住まいの提案まで一貫して対応できるため、お客様からの信頼も得やすくなります。
このように、独立系FPは知識を活かして専門性を深めやすい職業です。不動産はその中でも実践的で手応えがあり、人気のある分野です。
不動産仲介ってどんな仕事?
不動産仲介は、物件の賃貸や売買をサポートする仕事です。
まず一つ目は、お部屋探しです。賃貸物件を探しているお客様に対して、希望条件を聞きながら物件を紹介し、内見や契約のサポートをします。
次に多いのが、マイホームの購入や売却です。とくに購入相談では、住宅ローンや資金計画のアドバイスも含めて、FPの知識が役に立ちます。
三つ目は、投資用不動産の売買です。家賃収入を得たいという方や、老後資金として不動産投資を始めたいという方に向けて、利回りやエリア選定などのアドバイスを行います。
その他にも、不動産管理や仕入れ、リフォームやリノベーションの提案まで行うこともあります。実際、僕の知り合いのFP兼不動産仲介の方は、中古マンションを買ってリノベしてから販売する「再販事業」も手がけています。
つまり、不動産仲介といっても業務の範囲は広く、自分の得意分野や目指すスタイルに合わせて仕事の幅を広げられるのが特徴です。
不動産仲介のおもしろみ
不動産仲介は、金融の中でも「モノ」を扱える仕事として人気があります。
保険や資産運用のように見えないものを売るのではなく、実際に目で見て触れるものを提案できるのが特徴です。僕の周りにも、街を歩くのが好きだったり、間取りを見るのが趣味という方が、不動産仲介に魅力を感じているケースが多いです。
実際、ワンクエストの生徒で不動産の道へ進んだ方の中には、元々物件情報を眺めるのが日課だったという方もいました。「この街にはどんな暮らしがあるのか」「この間取りはどう使えば快適か」と考えること自体が好きで、それがそのまま仕事につながったそうです。
もう一つの魅力は、一生涯にわたってお客様と関係を築ける点です。不動産は買って終わりではなく、住み替えやリフォーム、投資としての見直しなど、定期的に相談が発生します。
僕自身が不動産仲介をしているわけではありませんが、周囲のFP仲間で兼業している人たちからは「紹介がとにかく多い」という声をよく聞きます。マイホームの購入をサポートしたお客様から、家族や友人の紹介につながっていく流れが自然にできているようです。
このように、不動産仲介は「街や住まいが好き」という気持ちを活かせる上に、お客様と長く付き合えるやりがいのある仕事だと思います。
独立系FPの経験が大きな強み
独立系FPの経験は、不動産仲介の現場で確かな強みになります。
たとえば、適正な家賃や購入予算を一緒に考えられる点です。お客様の収入や支出、将来の支出予定などを考慮して「無理のない住まい選び」を一緒に考えることができます。
僕の周りでも、FP資格を持つ仲介業者は信頼されやすいと言われています。理由の1つは、自分でライフプラン表を作れる点です。教育費や老後資金を計算に入れながら「この予算なら安心して住宅ローンを組めますよ」と根拠を持ってアドバイスができます。
また、資産価値を踏まえた提案ができるのもFPならではです。不動産は買って終わりではなく、将来売ることも考える必要があります。市場や経済の動きに詳しいFPなら、将来の資産価値を見越した提案ができます。
さらに、他分野での知識を活かして、より広い視点で提案できるのも強みです。たとえば、資産形成の視点から投資用不動産を提案したり、万が一のリスクに備える保険の見直しまで話を広げることもできます。
税金の知識も活用できます。住宅ローン控除や譲渡所得税の相談も含めて、お客様の疑問に答えられると信頼されます。
僕自身も、家計全体の見直しをきっかけに住宅購入の後押しをできたケースを何度も見てきました。FPとしての経験は、不動産仲介においても確実に差別化できるスキルだと実感しています。
独立系FPから広がるキャリアパス
独立系FPの経験は、不動産だけでなく他の専門分野にもつながります。
たとえば、税理士を目指している人もいます。もともとFPとして家計や相続の相談を受けていた人が「もっと専門的に税金の相談に乗りたい」「経営者の力になりたい」と感じて、税理士の勉強を始めたという事例です。
また、経理代行の仕事を始めた人もいます。個人事業主や小さな会社の経理を手伝いながら、資金繰りや保険の相談にも乗れるのは、まさにFPならではの強みです。
さらに、証券会社に属さない形で資産運用のアドバイスをするIFAを目指す人もいます。投資信託や株式などの提案をする上でも、FPとしての中立的な視点が評価されやすいです。
僕の周りでも「FPをやっていたからこそ次の専門が選びやすくなった」という声をよく聞きます。広く学んだうえで、自分に合った分野に深く踏み込めるのが、独立系FPの魅力です。
どの道に進んでも、お金の知識がベースにあることで信頼されます。そして、お客様にとっての「身近なお金の相談相手」として、長く付き合っていけるのが大きな価値です。
いかがでしたか?
最初はお金の勉強を始めたつもりでも、相談を受けるうちに「不動産も扱いたい」「税金の相談にも乗りたい」と、自然に専門性が広がっていく人が多いです。
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