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独立系FP(お金の先生)という生き方

無料相談はやるべき?独立系FPの初回相談戦略

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

僕がこの10年間で多くの独立系FPを育成してきた中で、よく聞かれるのが「初回相談は無料にすべきですか?」という質問です。結論を言うと、状況によって無料でも有料でも正解はあります。

ただし、どちらを選んでも「戦略」は必要です。今回は、僕が実践している事例を交えて、初回相談の考え方と実践方法を解説します。

FP技能士の資格を取っている方や、これからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

なぜ多くのFPが無料相談を取り入れているのか

多くのFPが初回相談を無料にする理由は、お金の相談にお金を払う文化が日本に根付いていないからです。「まずは話だけでも聞いてみたい」という人が多く、入り口のハードルを下げる必要があります。

まずは土俵に乗ることが大切です。相談者と接点を持たない限り、自分の実力は伝わりません。

実際、ワンクエストの卒業生の多くも、最初は無料で相談を受けています。そこで信頼を得て、独立系FPとしてのマネタイズに繋げています。

無料相談だけで終わらせないために

戦略的に取り組まなければ、無料相談だけで終わってしまいます。相談者は他のFPとも話していることが多いので、印象に残らなければ、次には繋がりません。

僕も初期のころ、3人に1人くらいしか次に繋がらない時期がありました。原因は準備不足でした。自分の強みや、独立系FPとしての立ち位置をきちんと説明できていなかったのです。

独立系FPは特定の商品を売ることが目的ではありません。中立的な立場で相談者の人生に寄り添える存在です。この「立ち位置の強み」を最初に明確に伝えることが重要です。

とはいえ、理屈だけで人は動きません。一番大切なのは相談者と「仲良くなる」ことです。僕は初回面談で相手の人生観や価値観を深く聞くようにして、共感できるポイントを常に探しています。

金融知識で相談者の課題を解決してあげることと同じくらいに、信頼関係を築くことが大切です。「この人とまた話したい」と思ってもらえるようなコミュニケーションを取りましょう。

成約率を高める初回面談の流れ

初回面談で成約に繋げるための最大のポイントは「自己紹介」です。ここで「この人は信頼できる」と思ってもらえれば、その後の流れは楽になります。

僕は自己紹介の中に「なぜFPになったのか」「どんな価値を提供できるのか」を必ず入れています。相手の感情に触れるストーリーがあると、心を開いてもらいやすくなるからです。

初回面談の成否は、自己紹介でほぼ決まると言っても過言ではありません。それくらいに「どんな人が話しているか」は印象を左右します。

次に大事なのが「この相談でめちゃくちゃ得をした!」と感じてもらうことです。僕は毎回、相談者がその日から使える具体的な知識やノウハウを必ず一つ提示しています。

たとえば「◯◯さんの場合は、保険を見直すと総支払が100万円以上変わります。具体的には〜」と伝えると、多くの人が感動します。そして「保険以外の分野も相談したい!」となり、継続の話に繋がるのです。

入口は保険ではなく、税金でも投資でも住宅でもOKです。とにかく初回面談で100万円以上を得させることが重要です。

ここが勝負の分かれ目なので、僕は全身全霊で「得させられるポイント」を探して、ノウハウをお伝えしています。

無料にしないという選択肢もアリ?有料化の判断基準

初回相談を無料にするか有料にするかは、自分の立ち位置や影響力によって決まります。影響力がついてくると、無料でなくても相談は自然と入ってきます。

僕も最初の5年ほどは無料相談を中心にしていましたが、SNSを通じて発信を続けるうちに「この人に相談したい」と思ってもらえるようになりました。そのタイミングで初めて有料化を考えました。

結局は有料にせず「完全紹介制」にしました。有料や完全紹介制にすると「本気の相談者」だけが来るようになり、時間対効果が格段に上がります。

ただし、有料や完全紹介制にするのは簡単ではありません。相談者が面談を申し込む前に「相談料以上の価値がある話を聞けそう!」と思わせることができるかどうかです。これができるなら、有料にすることは何も問題ありません。

無料をやめられるかどうかは、自分のブランディングが整っているか次第です。焦らず信頼を積み重ね、適切なタイミングで判断しましょう。

いかがでしたか?

独立系FPの無料相談は「戦略」なしでは戦えません。まずは「お金を払ってでも聞きたい!」と思ってもらえるような状態を作ることに専念しましょう。

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