独立系FPの副業で月5万円稼ぐ方法

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
この記事では、僕が独立系FPとして約10年間、現場で培ってきたリアルな経験をもとに「独立系FPの副業で月5万円稼ぐ方法」をテーマに解説していきます。
独立系FPを本業にしていくためには、本腰を入れて取り組む必要がありますが、副業であればスキマ時間で月5万円を稼ぐことは難しくありません。
FP技能士の資格を取っている方や、これからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。
① 記事の執筆
自身の金融知識を活かして、記事を書くことは非常に有益な副業の一つです。
特に、ライティングスキルやSEOの基礎知識があれば、ブログやメディアで自分の専門性を発信し、安定した収入源を得ることができます。
なぜ記事執筆が副業に向いているのか?
◉初期費用がかからない
パソコンとネット環境があればすぐに始められます。ライティングのスキルも徐々に身につければOKです。
◉時間と場所にとらわれない
隙間時間で作業できるため、平日の夜や休日に取り組むのに最適です。
◉専門性が収入につながる
FPならではの視点で、金融、保険、年金、ライフプラン、投資などをテーマに書けるため、記事の単価が高くなる傾向があります。
どこで記事を執筆するか
◉自分のブログを運営する
SEOを意識した記事を継続的に書くことで、広告収入やアフィリエイト収入が見込めます。自分の専門性を見せるポートフォリオにもなります。
◉クラウドソーシングで受注する
「クラウドワークス」や「ランサーズ」などを活用して、記事作成の案件を受ける。「FP資格保持者限定」などの高単価案件もあります(1文字1円以上の案件も珍しくありません)。
◉メディアに寄稿する
金融系や暮らし系のWebメディアでは、外部ライターとして専門家の寄稿を募集しているところがあります。実績ができれば、継続的に依頼されることも。
◉SNSでの発信
記事を書くだけでなく、SNS(TwitterやFacebook、Instagramなど)で記事をシェアすることも効果的です。ファンを増やし、個別相談やセミナーの参加者を集めることもできます。
収益化の方法
◉広告収入
自分のブログにGoogle AdSenseなどの広告を貼ることで、訪問者が広告をクリックするたびに収益が得られます。
記事の内容が金融やライフプランに関するものであれば、関連性の高い広告が表示されることが多いため、クリックされやすくなります。
◉アフィリエイト
特定の商品やサービス(例えば、投資信託や保険商品)の紹介を通じて、アフィリエイト報酬を得ることができます。
読者に対して役立つ商品やサービスを紹介することで、信頼を得つつ、収益を得ることが可能です。
◉有料記事やコンテンツ販売
無料で提供している内容に加えて、専門的なノウハウや詳しい情報を有料記事として販売することも一つの方法です。
例えば、特定のライフプランニングに関する詳細なガイドや、資産運用のステップアップガイドなどを有料で提供できます。
実際に稼げる金額の目安(記事執筆)
- 自分のブログで広告収入を得る場合
Google AdSenseなどの広告を貼ると、訪問者が広告をクリックしたり表示されたりすることで収益が発生します。
・初期段階(月間アクセス1,000〜3,000PV程度):月3,000〜5,000円程度
・中級レベル(月間1万PV以上):月10,000〜30,000円程度
・上級者(月間5万PV以上):月50,000円以上も可能
※アクセスを増やすにはSEO対策や継続的な更新が必須です。 - 外部メディアへの寄稿
金融やライフプラン関連のメディアに記事を寄稿することで、1記事あたり5,000〜15,000円の報酬が得られるケースが多いです。
・月に3〜5記事書けば:月15,000〜75,000円
・文字数や専門性によっては1記事で20,000円以上も可能 - アフィリエイト(成果報酬型)
保険、証券口座、家計管理アプリなどを紹介して、読者が申し込みや購入をすると報酬が発生します。
・成果1件あたりの報酬:500〜10,000円程度
・月5件の成果:2,500〜50,000円
・月10件以上:5,000〜100,000円超も十分可能
金融は他のジャンルに比べて、アフィリエイト報酬は高いことが多いのでチャンスです。 - 有料記事・教材の販売(noteなど)
記事やPDF教材を有料で販売する方法もあります。
・1記事500円で販売し、月に30件売れれば:15,000円
・独自性や専門性が高ければ、1記事5,000円以上で販売も可能
初心者でも、外部メディアでの寄稿やアフィリエイトに取り組むことで月に1〜5万円は十分に狙えます。また、ブログやSNSをコツコツ育てていけば、継続的な収入源として月5万円以上の副収入に育てることも可能です。
② マネープラン表作成
独立系FPの代表的なスキルのひとつに、マネープラン表(ライフプラン表)の作成があります。これは、顧客の人生設計に基づいて、収支・貯蓄・資産の将来推移を「見える化」するツールです。
保険屋さんが作るマネープラン表は保険商品の提案を前提にした内容になっているため、信用をしていない人は多く、独立系FPが公平中立的な立場から作るマネープラン表は重宝されます。
世間からのニーズが高く、比較的単価も高いため、月5万円の副収入を目指す上で非常に有効です。
どんな依頼が来るのか?
以下のようなケースでの依頼が多いです。
・子どもの教育費や住宅購入を検討している家庭
・老後資金がどの程度必要か不安な夫婦
・独立・起業を考えている人の収支シミュレーション
・離婚や再婚を見据えた生活再設計
使用するツールとスキル
マネープラン表の作成には、以下のツールがよく使われます。
◉Excel(エクセル)
自由度が高く、関数やグラフを駆使すれば細かな調整が可能。独自テンプレートを作っておくと効率アップ。
◉FP専用ソフト(例:FP名人、ライフプランソフト)
収支計算や年金試算、キャッシュフロー表が自動で作れるため、時短に最適。
最近では無料のマネープラン表ツールも増えています。一般の方も使えますが、経験のない出費はイメージしづらく、正しく作るのが難しいです。
独立系FPが顧客の希望を丁寧にヒアリングし、解釈して反映する力が求められます。
実際に稼げる金額の目安(マネープラン表作成)
1件あたり5,000円〜100,000円程度が相場です。
・簡易的なキャッシュフロー表作成(1時間程度):5,000円〜8,000円
・詳細なライフプラン表+提案書付き(2〜3時間程度):10,000円〜100,000円
まずは少額で請け負って、慣れてきたら徐々に単価を上げていきましょう。
顧客への提供方法と注意点
◉オンライン(Zoom+PDF納品)
最近はオンライン相談が主流。完成したプラン表はPDFで納品する形が一般的です。
◉対面相談(地域密着型)
地元の子育て世帯やシニア層など、対面での信頼関係を重視する顧客にも需要があります。
注意点としては、税務や投資のアドバイスを超えた内容を無理に提供しないこと。必要に応じて税理士・社労士など他の専門家と連携する姿勢も大切です。
③個別相談
独立系FPとして最も基本的かつ信頼構築に直結するのが「個別相談」です。
クライアント一人ひとりの状況や悩みに直接向き合うことで、深いニーズを引き出し、長期的な関係やリピートにもつなげやすい手法です。
どんな相談内容が多い?
・家計の見直し:支出を減らしたい、赤字をどうにかしたい
・保険の整理:加入中の保険が適切か見直したい
・住宅購入・ローン相談:頭金の目安や返済計画の妥当性
・教育資金の準備:いつまでに、いくら必要か不安
・老後資金のシミュレーション:年金だけで足りるのか?
・投資の始め方:NISA・iDeCoの活用方法が知りたい
これらは、「FPに相談したい」と考える典型的なニーズです。
特に30代〜50代の子育て世帯や、老後を見据える50代以降の層に需要があります。
実際に稼げる金額の目安(個別相談)
個別相談は、1回あたり5,000〜10,000円が一般的な料金相場です。
初回は無料でもいいですが、2回目以降の料金は明確に設定しておきましょう。
例:
・初回相談(60分):0円〜 ※相性の確認
・継続相談(2回目以降):7,000円〜10,000円(提案資料込み)
月に3件〜5件の相談を受ければ、月15,000〜50,000円の収入になります。
相談の進め方(基本の流れ)
- 事前ヒアリングシートを送付
相談内容、現在の資産状況、希望のライフイベントなどを記入してもらう。 - オンライン or 対面での面談(60〜90分)
質問に答えつつ、FPとして状況整理とアドバイスを実施。
- 必要に応じてマネープラン表や保険の一覧表を提供
これにより付加価値をつけて、次回相談や継続契約へつなげる。
④ 提携先へご紹介
独立系FPとして相談に乗っていると、顧客の課題が自分の専門範囲を超えることはよくあります。たとえば、「住宅を買いたい」「保険の契約を見直したい」「不動産を売却したい」など。
こうしたケースで、信頼できる提携先(保険代理店・不動産会社・士業など)を紹介することで、顧客にとってはワンストップのサポートになり、FP側にも紹介報酬(成果報酬)という形で副収入を作ることも可能です。
紹介ビジネスの具体例
・保険代理店に顧客を紹介 → 成約1件につき 5,000円〜30,000円
・不動産業者に紹介 → 売買契約成立で数万円〜十数万円の報酬
・住宅ローン仲介 → 成約1件あたり1〜3万円の手数料
・士業(税理士・社労士など)との相互紹介 → 相互送客・報酬なしの連携もアリ
金融における紹介ビジネスは、「数は少なくても単価が高い」ことが特徴です。
提携先の見つけ方
・地元の業者・士業と人脈を築く(異業種交流会など)
・同じ分野のSNSやオンラインコミュニティで信頼できる相手を探す
・既存顧客から「良かった業者」をヒアリングして、自ら連絡をとる
・独立系FP同士で「紹介できる専門家」のリストを共有する
独立系FPにとって「信用」が何よりも大切です。紹介先によって自分の評価も大きく変わるため、慎重に提携先を選びましょう。
詳しくは『独立系FPが「信頼できる提携先」を作る手順』で解説しているので、ご覧ください。
⑤ 顧問契約
安定収入を得やすい方法の一つが「顧問契約」です。
これは、顧客と月額制や年間契約で継続的にサポートを提供するスタイルで、ストック型(継続型)収入をつくる手段として非常に有効です。
顧問契約とは?
顧問契約とは、特定の個人または法人と定期的な契約を結び、以下のようなサポートを継続的に提供するサービスです。
▼個人向けの例
・毎月1回の資産運用レビュー
・年1〜2回のライフプラン見直し
・家計の定期チェックと改善提案
・税制や制度変更に関する情報提供
▼法人向けの例
・従業員向けのマネーセミナー
・社長・経営層への個別FPサポート
・福利厚生としての相談窓口
報酬の相場
顧問契約の料金設定は、提供内容と対象者によって異なりますが、以下が一つの目安です。
・個人向け → 月額:5,000円〜10,000円
・法人向け→ 月額:10,000円〜50,000円 ※従業員数に応じてカスタマイズ
月に3件の個人顧問契約を持てば、それだけで月15,000円〜30,000円の安定収入になります。長期継続しやすいのが最大のメリットです。
顧問契約は難しい?
ここまで解説しましたが、日本において独立系FPが顧問契約で稼ぐためには、僕の経験上では一定のハードルを感じます。
日本では「お金を払って個人のアドバイザーに長期間相談し続ける」という文化がまだ根付いていないことが、大きな原因です。
詳しく知りたい方は『独立系FPは顧問契約を獲得できるのか?』をご覧ください。
⑥ 記帳代行
独立系FPの副業としてあまり注目されていないものの、実はニーズが高く安定収入につながりやすいのが「記帳代行」です。これは、個人事業主や小規模法人に代わって、日々の収支や領収書を整理し、帳簿に記録する業務です。
「数字に強い」「Excelや会計ソフトの操作が苦にならない」FPのスキルは、この業務に非常にマッチします。
記帳代行とは?
記帳代行とは、仕訳帳や総勘定元帳といった帳簿への記録を顧客に代わって行うサービスです。
▼主に以下の作業を代行します
・現金・銀行取引の仕訳入力
・売上・経費の整理(領収書の分類)
・会計ソフトへの入力(freee、マネーフォワード、弥生会計など)
・月次レポート作成(任意)
※確定申告そのものは、税理士法により税理士でないと代行できませんが、「日々の記帳」はFPでも合法的に請け負えます。
どんな人にニーズがある?
▼主な対象は以下のような人たちです
・副業や個人事業をしている人(クリエイター、講師、フリーランスなど)
・小規模な法人(社長1人+事務1人のような会社)
本業に集中したかったり、数字が苦手な人も多く、「できれば外注したい」というニーズは非常に強いです。
実際に稼げる金額の目安(記帳代行)
案件ごとのボリュームや記帳頻度によって変動しますが、副業として始めるなら以下が一つの目安です。
▼月額契約(1件あたり)
・領収書100枚未満/月 → 5,000〜10,000円
・領収書200枚程度/月 → 10,000〜20,000円
・月次レポート付き → 上記に+3,000〜5,000円程度
月に3件受託した場合は月15,000〜60,000円の副収入が期待できます。
一度契約すれば毎月定期的に発生する業務なので、継続性が高く、安定収入につながるのも大きな魅力です。
必要なスキル・ツール
・簿記3級程度の知識
・Excel/Googleスプレッドシートの扱い
・クラウド会計ソフトの操作(特にfreeeやマネーフォワードは人気)
そんなに難しい業務ではありません。今は知識がない方でも、学びながら実践しやすく、副業スキルとして習得するのはおすすめです。
⑦ 講演活動
独立系FPとして培った知識や経験を、セミナーや講演という形で人前で伝える仕事が「講演活動」です。
認知拡大や信頼獲得にもつながるため、FPにとって非常に相性の良い仕事です。
どんな場所で講演できるのか?
▼自治体・公的機関主催のセミナー
・家計管理や老後資金対策、子育て世代向け教育費の話など。
・市区町村の生涯学習講座、男女共同参画センターなどが主催。
▼企業内研修・福利厚生セミナー
・社員向けの「お金の勉強会」
・確定拠出年金(DC)の制度説明、資産形成セミナーなど
▼学校やPTA向けの講演
・高校・大学での金融教育
・保護者向け「教育費の準備」などのテーマが好まれる
▼オンラインセミナー(個人主催・企業協賛)
・Zoomなどを使って自宅から実施可能
・全国に向けて発信でき、再生可能な動画コンテンツ化も
僕自身、公立高校やJリーグチームでの講演活動をしたこともあります。いま世間では金融教育がブームのため、ニーズは高いです。
講演の報酬相場
講演の報酬は、「時間」や「主催者の予算」によって変動します。
▼自治体・NPOなど公的機関主催
・60〜90分で 10,000円〜30,000円
・交通費、資料代込みのことが多い
▼企業向けの研修・セミナー
・1時間あたり 30,000円〜100,000円(講師実績による)
▼オンライン講演(個人主催)
・参加費500〜3,000円×10〜50名で、5,000〜100,000円以上も可能
月に1〜2件受ければ、副収入としては十分な成果が見込めます。
いかがでしたか?
これら7つの方法の中には、時間がかかるものもあれば、比較的すぐに始められるものもあります。重要なのは、すべてを一気にやろうとせず、自分の強みや経験に合ったものから始めましょう。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。
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