独立系FP(ファイナンシャルプランナー)の働き方の種類

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
この記事では、僕が10年間にわたって独立系FPとして積み重ねてきたリアルな経験をもとに「独立系FPの働き方の種類」について詳しくお伝えしていきます。
独立系FPというと「自由な働き方ができそう」「やりがいがありそう」といったポジティブなイメージを持つ方も多いでしょう。
その一方で「実際にはどんな雇用形態があるの?」「オンラインで活動している人もいるの?」「どんな1日を過ごしているの?」など、イメージが漠然としている方も少なくありません。
この記事では、そんな疑問を解消すべく、
● 雇用形態(会社員/フリーランス)の違い
● 対面・オンライン・ハイブリッドという働き方のスタイル
● 独立系FPの1日の過ごし方
● 僕自身が選んできたスタイルとその理由
といったポイントを、できるだけ具体的にお話していきます。
これから独立を目指す方はもちろん、すでにFP資格を持っていて働き方を模索している方にも、きっと役立つ内容になっています。どうぞ最後までお付き合いください。
雇用形態について
雇用形態は大きく分けると「会社員として働くFP」と「フリーランスとして独立しているFP」の2つに分かれます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう
会社員FP
独立系FPというとフリーランスのイメージが強いかもしれませんが、実はごく少数ながら正社員としてFPを雇用する独立系FP事務所も存在します。
▼メリット
・毎月の安定した給与がある
・集客や事務作業は会社が担当してくれることが多い
▼デメリット
・給料は比較的低水準なことが多い
・厳しい営業ノルマを課せられるケースが多い
・仕事内容が制限され、やり甲斐を感じにくい
会社員FPは「毎月決まった収入」を期待できますが、自由な働き方や中立的な提案を目指す人にはミスマッチになる可能性もあるため、慎重に見極める必要があります。
フリーランスFP
独立系FPの大多数は、フリーランスとして活動しています。僕自身もこの形で10年間活動してきました。
▼特徴
・自分自身が“商品”であり、信用の積み重ねが大切
・サービス内容、料金設定、働く時間や場所などすべてを自分で決められる
・成果が出れば収入は青天井。ただし、成果が出なければゼロもあり得る
▼求められるスキル
・信頼構築力
・提案力(顧客の課題に応える具体的なプラン設計)
・マーケティング力(SNSやブログで集客)
・経営管理(会計、確定申告、資金繰りなど)
フリーランスFPは、自由度が非常に高い反面、自己管理能力とビジネススキルが求められます。最初こそ大変ですが、軌道に乗れば自分の得意分野やスタイルで長く働き続けられる点が大きな魅力です。
コンサルティングの場所
独立系FPとして活動する上で、どこでクライアントと接するかは非常に重要な要素です。
かつては「対面での面談」が当たり前でしたが、近年はオンライン面談の普及により、働き方の選択肢が格段に広がりました。ここでは主に3つのスタイルをご紹介します。
対面型
かつての主流であり、今も多くのFPが取り入れているのが対面型の面談スタイルです。カフェ、オフィス、レンタルスペースなどで実際に会って話すことで、表情や雰囲気から顧客の本音を読み取ることができます。
▼メリット
・顧客との信頼関係が築きやすい
・書類の受け渡しやサインもその場で完結
・雑談や非言語コミュニケーションで関係性が深まる
▼デメリット
・移動時間とコストがかかる
・地域が限られ、全国展開がしづらい
・時間の融通が利きにくい
特にシニア層や都心部以外では、今でも根強いニーズがあります。
オンライン型
ZoomやGoogle Meetなどのオンライン面談ツールの普及により、どこに住んでいても全国・海外の顧客とつながることが可能になりました。
僕の知り合いには、海外駐在中に日本の顧客を支援しているFPや、地方に拠点を構えながら東京の顧客とやり取りしている人もいます。
▼メリット
・地理的な制約がない(全国・世界中の顧客対応が可能)
・自宅から対応できるのでコストが低い
・面談のスケジュール調整がしやすい
▼デメリット
・初対面の信頼構築が難しい場合がある
・ネット環境や機器トラブルのリスク
・顧客がITツールに不慣れな場合はハードルが高い
オンライン対応は、特に若年層やITリテラシーの高い顧客層にマッチしやすい傾向があります。
ハイブリッド型:僕が実践しているスタイル
僕自身が取り入れているのが、対面とオンラインを組み合わせた“ハイブリッド型”の働き方です。具体的には、次のように使い分けています。
● SNS(TwitterやInstagram)からの問い合わせ → オンライン対応
● 既存顧客や紹介での面談 → 初回は対面対応
顧客の要望に応じて、臨機応変にどちらも活用しています。この働き方は飽きませんし、対面とオンラインの良さをどちらも感じられます。
今後ますますオンラインのニーズは高まると考えられますが、対面の強みも捨てがたい。だからこそ、ハイブリッド型は現代におけるベストな選択肢だと実感しています。
独立系FPの1日の流れ
独立系FPの働き方は自由度が高く、スケジュールも自分で決められるのが大きな魅力です。
とはいえ、自由だからこそ自己管理が欠かせません。ここでは、僕自身のリアルな1日のスケジュールを例に、独立系FPがどのような仕事をしているのかを具体的に紹介します。
面談(1日あたり約3件)
僕の場合、1日の中心はやはりお客様との面談です。新規の相談者との初回ヒアリングや、既存顧客との定期フォローなど、平均して1日に3〜5件の面談を行っています。
●新規面談:ライフプランや保険の見直し、資産形成に関する初回相談
●継続面談:既存の顧客の進捗確認、投資商品の見直し、家計改善のサポート
オンラインも上手く活用することで、移動時間が減り、以前より効率的にスケジュールを組めるようになりました。
面談準備(資料作成・調査など)
面談の質を高めるには、事前準備がとても重要です。顧客の悩みに応じて、次のような資料を用意します。
・ライフプラン表
・保険の比較資料
・投資商品のリスク・リターンの説明資料
慣れてくれば効率的に作れるようになりますが、初めのうちは1件につき1〜2時間かかることもあります。自分自身の成長にも繋がりますし、毎回丁寧に準備しています。
情報発信(SNS・ブログ)
新規顧客を獲得する上で欠かせないのが、SNSやブログでの発信活動です。僕自身もTwitterやInstagram、そしてこのブログを活用して、日々情報を発信しています。
・日常の気づきや金融ニュースのコメント
・家計改善や資産運用に関する豆知識
・面談でよくある質問のQ&A
情報発信は「この人に相談してみたい」と思ってもらうための信頼構築の第一歩です。1日30分〜1時間ほどの時間を取って、継続的に行うようにしています。
自己研鑽(インプットの時間)
FPは知識が命の仕事です。金融商品、税制、社会保障制度などは日々変化していきます。そのため、毎日少しでも時間を取り、知識のアップデートを行っています。
・書籍や専門雑誌の読書
・オンライン講座やセミナー受講
・他のFPのブログやSNSのチェック
このようなインプットを続けることで、顧客にとって常に価値のある存在であり続けられるよう努めています。
独立系FPの1日は、面談だけでなく「準備」「発信」「学習」といった多面的な活動で構成されています。最初は大変に感じるかもしれませんが、慣れれば自分なりのリズムができ、無理なく充実した1日を過ごせるようになります。
いかがでしたか?
独立系FPはフリーランスとして活動すれば、自分の価値観やライフスタイルに合わせて、柔軟にカスタマイズできる魅力的な仕事です。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。
「未経験から独立系FPを育成する講座」の新規受講者も募集しております。僕や実際に独立系FPとして活躍する先輩が相談に乗りますので、ご興味のある方はお気軽にカウンセリングフォームからお申込みください。