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独立系FP(お金の先生)という生き方

ニッチ戦略で勝つ!独立系FPのターゲティング術

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

独立系FPとして活動していくうえで大事なことの1つがターゲットを決めることです。

特に、大手の金融機関や保険会社に所属していないFPにとっては、ブランド力や営業力で劣る分、自分ならではの価値をどう見せるかが勝負の分かれ目です。

「誰のためになりたいのか?」「どのターゲットなら気持ちがわかるのか?」これが明確になると、ビジネスが格段にやりやすくなります。

そこで重要になってくるのが「ニッチ戦略」です。ニッチ戦略とは、あえて市場の大多数ではなく、特定の属性やニーズを持った小さな市場(=ニッチ)に絞ってサービスを展開すること。大手がカバーしきれない領域を的確に押さえることで「この人に相談したい!」という信頼を勝ち取ることができます。

本記事では、独立系FP歴10年の僕が見てきた経験も踏まえて、ニッチ戦略の実践方法について詳しく解説していきます。自分に合ったニッチを見つけるヒントになれば幸いです。

①職業でセグメントする

職業によって収入の特徴や働き方、将来の不安は大きく異なります。独立系FPが「職業別」にターゲティングを行うことで、顧客のリアルな悩みにより深く寄り添うことができます。

【医師・看護師】高収入だが時間がない層

医療従事者は比較的高収入である一方、勤務時間が不規則で、資産運用や税金対策に手が回らないという悩みを抱えています。また、開業医の場合は法人化や事業承継の相談も発生します。

▼アプローチのポイント
・「節税」に特化した訴求
・手間のかからない資産形成のご提案
・開業資金の計画や医療法人設立のサポート

【教員・公務員】安定収入だが投資に慎重な層

教員や公務員は給与が安定しているものの、年金や共済制度に関する知識が必要になります。反面、投資に対して保守的な傾向があるため、信頼関係の構築が非常に重要です。

▼アプローチのポイント
・公務員向けの年金制度や退職金の解説
・住宅購入や教育資金など、人生設計のサポート
・リスクを抑えた資産運用プラン(債券投資など)のご提案

【フリーランス・経営者】収入が不安定で計画が難しい層

フリーランスや経営者は、収入の波があるため将来の見通しが立てにくく、税金やキャッシュフロー(資金繰り)に不安を持っています。開業間もない人には特に「お金の仕組み」を教える支援が求められます。

▼アプローチのポイント
・キャッシュフローの安定に繋がる資金計画
・社会保障の薄さを補填する保険提案
・確定申告のサポート(記帳代行など)

【その他】自分が経験したことある職業など

職業の事例を挙げればキリがありませんが、過去に自分が経験したことのある職業に対してのアプローチは上手くいきやすいです。職業特有のお金の悩みを理解しやすいからです。

思い切って「◯◯(職業)専門のFPです!』と言い切るくらいの姿勢で、ニッチ戦略を立ててみましょう。

②年齢でセグメントする

年齢ごとにお金の悩みはさまざまです。当然、20代と70代ではお金の悩みが違うでしょう。様々な年齢層を顧客にしていくのも勉強になりますが、知見が貯まりにくいので、まずは年齢を絞って顧客対応していきましょう。

【20代】資産形成のスタートライン

社会人になったばかりの20代はまだ年収が低く、お金が貯まりにくい世代です。一方で、良くも悪くも投資に期待している人も多く、アプローチはしやすいと思います。

▼アプローチのポイント
・投資の仕組み(複利など)を教える
・キャリア(お金を稼ぐ)相談にも乗っていく
・FXや暗号資産の話も織り交ぜる

【30代】人生の転機が集中する世代

この世代は、結婚、出産、住宅購入、転職など、人生の大きなイベントが立て続けに起こるタイミングです。お金について全く考えていなかった人でさえ、資金計画と向き合っていかなければなりません。

▼アプローチのポイント
・マネープラン表を作成する
・住宅購入のコツ(ローン選択)などを教える
・安くて手厚い保険をご提案する

【40~50代】老後を意識し始めるプレリタイア世代

親も高齢になり、老後を意識し始める世代。年金や退職金も身近に感じ始め、リタイア後の生活設計に関心が高まります。

▼アプローチのポイント
・年金額の確認と生活資金のシミュレーション
・理想のセカンドライフの明確化
・親の相続対策として生命保険や贈与制度のご提案

【60代】退職後の生活設計が本格化する世代

定年退職後は収入が年金中心になり、資産の取り崩しや相続を考える時期に入ります。特に家族への想いを反映したファイナンシャルプランが求められます。

▼アプローチのポイント
・年金を補填する配当型の資産運用をご提案
・二次相続を見据えた生前対策の提案
・売却も視野に入

③資産でセグメントする

顧客の「資産規模」によって、必要とされるアドバイスの内容は大きく変わります。顧客のリスク許容度・ライフスタイル・金融知識などと密接に関係しており、適切なセグメント戦略を取ることで満足度が格段に向上します。

【資産1,000万円未満】これから資産を築く「アセットビルダー層」

この層はまだ大きな資産を持っていないものの、将来のために貯蓄や運用を始めたいと考えている層です。資産形成の初期段階であり、正しい知識と習慣を持つことが重要です。

▼アプローチのポイント
・家計管理の基礎から指導(支出の見直し、固定費削減など)
・少額から始める積立投資
・保険の見直しやふるさと納税

【資産1,000~5,000万円】資産形成を加速させたい層(ミドルレンジ層)

ある程度の資産があり、「減らさない運用」にも関心を持ち始めます。ライフイベント(子どもの教育費、住宅購入など)と資産運用を並行して考える必要があります。

・債券投資をポートフォリオに組み入れる
・住宅購入を活用した資産形成
・さらに年収を上げるための自己投資

【資産5000万円超】資産の活用・承継を意識する層(アッパー層)

この層は、すでに一定の資産を築いており、「配当収入」「お金を使うこと」に関心がシフトしています。FPには税金や相続への知見も求められます。

▼アプローチのポイント
・法人設立による節税スキームの提案
・相続や贈与に関する専門家(税理士・弁護士等)との連携
・人生を豊かにする食事や旅行の情報提供

いかがでしたか?

僕のまわりで独立系FPの中には「美容師専門のFP」「40代会社員専門のFP」「発達障害専門のFP」「医師専門のFP」など、様々なニッチ戦略で活躍している人がいます。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

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