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独立系FP(お金の先生)という生き方

他のFPと差をつける!独立系FPのブランディング戦略

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

最近では、保険会社や不動産会社など特定の業種や金融機関に縛られず、中立な立場でアドバイスを行う「独立系FP」として活動したいと考える人が増えています。

ただ、日本では独立系FPという働き方はまだ珍しく、人によってブランディングやマネタイズの方法もさまざまです。

今回は、独立系FPとして10年間活動する僕がおすすめする戦略をお伝えいたします。「これから独立系FPを目指したい」という方には役立つ内容かと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

一般的な独立系FPの実態

独立系FPとして働きたい人が増えた一方で、理想と現実のギャップを感じる人も多くいます。まずは「独立系FP」と名乗っている人のビジネスの実態をお伝えいたします。

相談料でマネタイズしているけど...

まず多いのが、「相談料ビジネス」として活動するスタイルです。初回面談や継続的なライフプランニング、資産設計に対して時間単位や月額で料金を設定し、対価を受け取る形です。

この形態は、金融商品を販売せずとも報酬を得られるため、中立性を保ちやすいというメリットがあります。

一方で、日本人は「FPには無料で相談ができる」という感覚が根強いため、相談料でマネタイズするには、SNSやブログでの情報発信を通じて、信頼構築と実績が必要になります。

残念ながら、相談料だけで生活ができている独立系FPは極わずかです。おそらく日本では10人程度しかおらず、かなり厳しい世界と言えます。

独立系の保険屋さん、IFAというパターンも

「独立系」としてブランディングし、「独立系の保険屋さん」や「IFA」というポジションで働かれている人も多くいます。

特定の保険会社や証券会社に固執せず、様々な金融機関と取引をすることで、できる限りの中立性を保ちながら金融商品をご提案しています

こうしたモデルは、相談料だけで稼ぐよりも、比較的安定した収入が見込めるため、日本でもかなりの人数がいます。

どちらが「良い・悪い」ではない

「相談料だけで稼ぐFP」と「金融商品も取り扱うFP」では、意見が異なることも多いですが、このあたりは各々の正義感によって好きに働くのが良いと思います。

「相談料だけで稼ぎたい!」と思っても、お金を稼げなければビジネスを継続することができず、結局は顧客のためになれていないというケースも多々見受けられます。

一方で、金融商品を取り扱う場合も「保険」や「証券」どちらかに偏っていることが多く、顧客ファーストになれていない場合もあります。

もちろん、どちらのポジションでも、上手くいっているFPはいます。自分に合う働き方を考えてみましょう。

すべてを取り扱う独立系FP

ここからが本題ですが、僕が提唱したい独立系FPの形は「すべてを取り扱う独立系FP」です。このブランディング戦略を実践している人はまだ日本にほとんどおらず、ビジネスチャンスは大きいと考えています。

投資、保険、不動産、税金、金融教育といった幅広い分野を横断的にカバーし、顧客の人生全体を見渡した上で最適な選択肢を提案できるFPこそ、今後の時代に求められる存在だと思います。

「投資・保険・不動産・税金・金融教育」すべてでマネタイズする

すべての分野を扱う独立系FPは「収益の多角化」をできるのが大きな強みです。それぞれの分野ごとの役割とマネタイズの事例はこちら。

【投資】
証券会社と提携してIFAとして活動し、投資信託や株式の仲介で手数料を得る。あるいは、純粋に助言だけを行い、アドバイスフィーを受け取るスタイルも可能。

【保険】
乗合代理店として複数社の保険商品を扱い、顧客のニーズに合わせたプランを提案。契約時の手数料が収益となる。

【不動産】
不動産会社と提携して物件購入・売却のアドバイスを行う。紹介料や仲介手数料の一部を報酬として得ることができる。

【税金・相続】
税理士や行政書士とのネットワークを活かし、顧客の税務・相続対策に対してワンストップで対応。自らが経理の知識があれば、経理代行で直接報酬を得ることも可能。

【金融教育】
セミナー講師、企業研修、書籍やコンテンツの販売、オンラインスクールなどによって知識を商品化する。

このように、多角的にマネタイズのルートを確保できることで、どこか一つの収益源に依存せず、安定的かつ継続的なビジネスを構築することができます

専門家よりもバリューを発揮するために

すべてを扱うとはいえ、単に知識を広く持つだけでは不十分です。複数の分野を連携させて「お金の流れ全体」を設計できる力こそが、すべてを取り扱う独立系FPの価値です。

たとえば、ある顧客が住宅購入を考えている場合、「ローンの選び方」だけでなく、「教育資金とのバランス」「今後の投資計画」「将来の相続への影響」まで見据えたプランを提示できるかどうかが重要です。

こうした複合的な提案は、単なる「商品の販売員」では提供できません。逆に言えば、横断的な知識と実践的な提案力を身につけることで、他のFPとの差別化は一気に進みます

成功するために必要なこと

「投資も保険も不動産も税金も全部扱えるFP」

それは確かに理想的な姿ですが、そこに到達するためには努力と継続的な成長が求められます。この章では、このスタイルの独立系FPとして成功するために避けては通れない課題について取り上げます。

勉強を続ける必要がある

まず何よりも、常に学び続ける姿勢が不可欠です。金融、保険、税制、不動産に関する制度や商品は、年々変化しています。昨日まで正しかった知識が、今日には通用しなくなることも少なくありません。

たとえば税制改正、NISAやiDeCoの制度変更、不動産市況の変動、金融商品の規制などは毎年のように更新されます。それに対応するには、定期的なセミナー参加、専門書の読破、実務経験の積み上げなどを継続する必要があります。

ただ、「お金のことが好き」「人に教えるのが好き」と感じている人であれば、大きな負担にはなりません。むしろ、学んだことがすぐに実務に役立ち、顧客に喜ばれることでモチベーションにつながるはずです。

実際、成功している独立系FPの多くは、学びを苦とせず、むしろ「趣味の延長」でスキルアップを楽しんでいます。これは、長く続けていくうえでの大きな強みです。

信頼できる提携先を作ること

次に重要なのが、優秀で信頼できる他業種のパートナーを持つことです。

独立系FPがすべてを自分でこなすことは現実的ではありません。税務の詳細は税理士、不動産売買の実務は宅建業者、相続や登記には司法書士や行政書士といった専門家の力を借りる必要があります。

これらのパートナーと円滑な連携ができれば、クライアントに対してワンストップの安心感を提供できます。また、提携先からの顧客紹介が生まれることもあり、ビジネスの幅も広がります。

信頼関係を築くには、自分自身の誠実な仕事が第一です。まずはとにかく自分の実力をつけていきましょう。

独立系FPのマネタイズ手段について、より詳しく知りたい人は『独立系FPの収入源(稼ぎ方)って何?』もぜひご覧ください。

いかがでしたか?

今回は僕らも実践している独立系FPの新たな戦略について解説いたしました。この戦略はこれから主流になっていくと思います。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

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