FP(ファイナンシャルプランナー)の収入源10選|おすすめのマネタイズ手段を現役FPが徹底解説!

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。
「FPってどうやってお金を稼ぐの?」とよく聞かれますが、FPには多様な収入源(マネタイズ方法)があります。
今回はFPがお金を稼ぐ手段を10個ご紹介します。その中でも、僕が10年間の経験から特におすすめするマネタイズ方法についても解説します。
FPの働き方に興味がある方や、FPとして収入源を増やしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
FPの収入源10選
FPの収入源(マネタイズ方法)は大きく10種類あります。
FPのマネタイズ手段
① お金の悩みに回答して相談料を貰う
② お金に関するスクールを販売して受講料を貰う
③ 会員制サービスを作って月額課金のサブスク料金を貰う
④ 記事や書籍を執筆して原稿料や印税を貰う
⑤ セミナーや講演会で講師料を貰う
⑥ YouTubeなどのメディアで情報発信して広告料を貰う
⑦ 具体的な商品をご提案して販売手数料を貰う
⑧ 顧客の資産を管理して預かり資産に対して報酬を貰う
⑨ 信頼できる提携先をお繋ぎして紹介料を貰う
⑩ マネープラン表を納品してお金を貰う
1つずつ解説していきます。
① お金の悩みに回答して相談料を貰う
FPの最もシンプルなマネタイズが相談料スタイルです。相談料は時間単位で設定するケースが一般的です。
相談内容としては
・「将来の家計が不安」
・「住宅ローンは繰り上げ返済すべきか」
・「子どもの教育資金の準備方法を知りたい」
・「ポートフォリオ(資産配分)の見直しをしたい」
などが僕の経験上は多いです。
相談料スタイルの魅力は目の前の相談者一人ひとりに寄り添い、その人の状況や価値観に合わせて最適な選択肢を一緒に考えられることです。
実績や専門性が上がると相談料も上げられます。また、顧客が満足すればリピートや紹介につながることもあります。
最近はZoomなどのオンライン相談が一般化し、全国どこからでも気軽に相談できる時代になったことで、さらに柔軟に対応できるようになりました。
② お金に関するスクールを販売して受講料を貰う
FPの仕事は1対1の相談だけに限りません。
近年、特に注目されているのが「お金に関するスクール」の運営やコンテンツ販売です。個人やグループに向けて体系的に金融リテラシーを伝えたり、資産形成の基本から応用までを学べる講座を提供するものです。
このビジネスモデルの魅力は顧客の成長を実感しやすいことです。お金の管理が苦手だった人が計画的に貯められるようになったり、無駄な支出を減らせるようになったという声を直接聞ける機会が多く、そのたびに仕事のやりがいを感じられます。
講座を通じて信頼関係ができれば、個別相談や他のサービスへの導線を作ることもできます。受講料収入だけでなく、ビジネスの幅を広げるきっかけになるのがスクール事業の面白さです。
③ 会員制サービスを作って月額課金のサブスク料金を貰う
②に少し近い形式ではありますが、会員制モデルで「継続的な安定収入」を作るマネタイズ手段もあります。
たとえば、月額1,000円〜数万円の料金で
・会員だけがアクセスできる情報発信
・個別質問へのチャット対応
・定期的なオンライン勉強会
・メンバー限定のコミュニティ運営
など、さまざまな形が考えられます。
「お金の勉強をしたい人」にとっては、高額なスクールと違い、手軽な金額から参加できる点が魅力です。
FP側にとっては、“売り切り型”な単発サービスとは違い、契約が続く限り安定して収入が得られるのが魅力です。
④ 記事や書籍を執筆して原稿料や印税を貰う
FPとしての活動の幅を広げたいとき、記事や書籍の執筆は効果的な選択肢です。
これまでの現場で得たリアルな事例を文章にして発信することで、原稿料や印税を得られるだけでなく、自分自身を社会に広くアピールすることができます。
記事執筆はWebメディア・雑誌・新聞など、さまざまな媒体でチャンスがあります。FPとして活躍していれば依頼がくることもありますが、ライターを募集しているメディアを自ら探すのもおすすめです。
また、自身のブランド力が高まれば、他メディアへの出演依頼や、読者・視聴者からの相談依頼が増えることも珍しくありません。「あの本を読んで相談しようと思った」という顧客とは、最初から信頼関係が築かれているため、その後のビジネスも進めやすくなります。
⑤ セミナーや講演会で講師料を貰う
自身の知識や経験を多くの人に届けることで講師料を貰う方法もあります。
世の中には様々なコミュニティがあり、最近はオンラインサロンなども流行っています。そういった場で機会をいただけたり、自らコミュニティの方へ勉強会を提案していくことで、講師料を貰えることもよくあります。
人前で話すことが好きだったり得意な人には魅力的な仕事です。
会場やオンラインで参加者の反応を感じながら進めることで、その場の疑問や悩みにリアルタイムで応じることも可能です。参加者との距離もぐっと近づき、信頼関係の構築にもつながります。
⑥ YouTubeなどのメディアで情報発信して広告料を貰う
目に見える現物商品を扱わないFPにとって「情報発信」は欠かせない武器です。
その中でも、YouTubeや各種SNSなどの動画・音声メディアを活用した発信は、多くのFPが挑戦している新しい収入源のひとつです。
YouTubeチャンネル・Podcast・Instagramライブなどで、家計の見直しや投資の始め方、保険の選び方といったテーマをわかりやすく解説し、再生回数やチャンネル登録者数が増えるほど、広告収入や企業案件(タイアップ)の話も舞い込んできます。
特にYouTubeは「見られた分だけ」広告料が発生するストック型ビジネスで、投稿した動画はアーカイブとして蓄積され、過去のコンテンツが継続的に再生されて長期的な広告収入につながります。
教育に関心がある方や、わかりやすく伝えるのが得意な人にとっては魅力的なマネタイズ手段です。
⑦ 具体的な商品をご提案して販売手数料を貰う
多くのFPが実践しているのが保険や金融商品、不動産など「具体的な商品」を提案し、その販売手数料を得るというモデルです。
お客様のライフプランや家計状況をヒアリングし、必要に応じて最適な保険、投資信託、住宅ローン、不動産などを提案。実際に成約につながった際に、金融機関や保険会社、不動産会社などから手数料(コミッション)が支払われます。
お医者さんが問診でお金をいただくのがFPとしての相談料、処方箋を出してお金をもらうのが販売手数料のようなイメージです。
このビジネスモデルの最大のメリットは「相談者の悩みに対して具体的な解決策を提示できること」と「一度の成約でまとまった報酬が得られること」です。
たとえば保険の場合、年間数万円から十数万円の手数料が発生することも珍しくありません。FPが幅広い商品の選択肢を持つことで、顧客にとって本当に必要な選択肢を比較しながら提案できます。
⑧ 顧客の資産を管理して預かり資産に対して報酬を貰う
FPの仕事が進化していく中で、近年注目されているのが「顧客に資産管理サービスを提供し、資産残高ベースで報酬を受領する」というモデルです。
顧客から資産を預かり、投資信託や株式、不動産などを活用して運用方針を設計・管理します。その対価として、運用残高に応じた手数料(例:年率○%)が定期的に支払われます。
「アセットマネジメント型」「ラップ口座型」などと呼ばれることもあり、単発の相談や商品販売にとどまらず、顧客の資産運用を中長期的にサポートすることができます。
売り切り型のビジネスと異なり、長期的に安定した報酬が得られる「ストック型収入」であることが最大の魅力です。
また、「お客様の資産が増える=自分の報酬も増える」仕組みのため、まさに利害が一致する“ウィンウィン”の関係を築きやすいとも言えます。
⑨ 信頼できる提携先をお繋ぎして紹介料を貰う
FP自身が直接サービスを提供できない分野の場合、顧客の悩みに応じて最適なプロフェッショナルを紹介して、紹介料を貰うビジネスモデルも構築できます。
例えば、相続や不動産の手続きが必要な場合は司法書士や税理士、住宅購入を検討しているクライアントには信頼できる不動産会社や住宅ローンの専門家、リフォームの相談には優良な施工業者を紹介するといった具合です。
士業の場合は紹介料に規制があるので注意が必要ですが、お互いにメリットのある組み方を模索すれば、良いパートナー関係を築くことは可能です。
FPが自分のネットワークを活かして「この人になら安心して任せられる」と思える相手を繋ぐことで、顧客に喜ばれることも多いです。
⑩ マネープラン表を納品してお金を貰う
「マネープラン表」の作成と納品もマネタイズとして効果的です。
マネープラン表とは、相談者の人生設計に沿って、今後の収入・支出・貯蓄・投資のシミュレーションを数字で“見える化”したもの。将来不安を感じる方にとって、非常に心強いツールとなります。
顧客に喜ばれるだけでなく、FPにとってもマネープラン表の作成は「今後の資産」になるため魅力的です。
一度作成して終わりではなく、定期的なアップデートを依頼されることもありますし、マネープラン表を作ることで課題点も見えるため、他のマネタイズ手段にもつなげやすくなります。
おすすめできないマネタイズ手段は?
ここまでは僕の主観を入れずに情報をまとめてきましたが、ここからは僕の10年間の独立系FPの経験をもとに解説していきます。
まずはおすすめできないマネタイズ手段からお伝えします。
▼おすすめできないマネタイズ手段
① お金の悩みに回答して相談料を貰う
③ 会員制サービスを作って月額課金のサブスク料金を貰う
④ 記事や書籍を執筆して原稿料や印税を貰う
⑤ セミナーや講演会で講師料を貰う
⑥ YouTubeなどのメディアで情報発信して広告料を貰う
「① お金の悩みに回答して相談料を貰う」をおすすめできない理由
これは既に知名度と実力を兼ね備えたFPであれば実現可能ですが、多くのFPにとっては難しいマネタイズ手段です。
お金の相談に対してお金を支払う文化はまだ日本では一般的ではなく、総資産1,000万円未満の人が相談料を支払うことは滅多にありません。支払ってくれたとしても少額(数千円)だったり、単発の相談になることが多いです。
まずは他のマネタイズ手段で実績を積んだうえで、相談料モデルの実現を目指しましょう。
「③ 会員制サービスを作って月額課金のサブスク料金を貰う」をおすすめできない理由
これも極一部のマーケティング能力がある人にしか実現できないマネタイズ手段です。
新規顧客を獲得しつつ、既存会員にも継続的に満足してもらうのは難易度が高いです。
サブスクは始めやすい一方で、解約もしやすいサービスです。僕の体感では、金融教育系のサブスクは多くの方が1年以内に離脱します。お金への関心が高い人ほど支出の見直しも積極的だからです。
「④ 記事や書籍を執筆して原稿料や印税を貰う」をおすすめできない理由
記事執筆はたしかに収入を得やすいマネタイズ手段です。
一方で、月に5万円を稼ぐのも難しく、多くのFPは数千円〜3万円程度にとどまっているのが現状です。
時間労働から抜け出すことも難しく、今後はAIに代替されやすい分野でもあるため、今から始めるのはおすすめできません。
「⑤ セミナーや講演会で講師料を貰う」をおすすめできない理由
これも既に実績がある方や、影響力のある人との人脈をお持ちの方向けです。
世の中にたくさんのFPがいるなかで「自分を選んでもらう」にはそれなりの理由がいります。もともと知り合いであったり、自分に影響力があって付き合うメリットがはっきりしている場合であれば、このマネタイズ手段でも勝算はあります。
まずは他のマネタイズ手段で実績を作ることから始めましょう。
⑥ YouTubeなどのメディアで情報発信して広告料を貰う
大きな金額を稼げる夢のあるビジネスモデルである一方、今ではレッドオーシャン化しています。
お金系のYouTubeを見ていると、情報発信している人はかなり多いですし、再生数が回っているインフルエンサーの発信の質はかなり高いです。
金融知識に加えて、マーケティングスキルやデザインスキルも求められます。今のインフルエンサーと比べて「自分なら勝てる」と思える場合は挑戦する価値がありますが、多くのFPには難しいでしょう。
情報発信で広告料を狙う場合は、ニッチな分野に絞るか、まだ誰も注目していないメディアに挑戦しましょう。
おすすめできるマネタイズ手段!
残された選択肢である5つが、ずばりおすすめのマネタイズ手段です。
おすすめのマネタイズ手段
② お金に関するスクールを販売して受講料を貰う
⑦ 具体的な商品をご提案して販売手数料を貰う
⑧ 顧客の資産を管理して預かり資産に対して報酬を貰う
⑨ 信頼できる提携先をお繋ぎして紹介料を貰う
⑩ マネープラン表を納品してお金を貰う
これらの収益源を上手く組み合わせてビジネスモデルを構築することで、FPとしてのマネタイズを最大化することが可能です。
具体的なビジネスモデル
まずは「②金融教育スクール」と「⑩マネープラン表」を入口としてサービス展開します。
その入口のサービスで信頼関係を構築したり、金融の正しい考え方を教育していくことで、⑦⑧⑨のマネタイズ手段に繋げやすくなります。
このように複数のマネタイズ手段を上手く組み合わせれば、FPとして年収1,000万円を目指すことも十分可能です。
具体的な集客方法やサービス構築については、他の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。
いかがでしたか?
FPという職業は一つでも、マネタイズの手段は数多くあります。
実力は同じでも、情報を持っているかどうかで年収に何倍も開きがあることも多いです。まずは情報弱者にならないためにも、たくさんの手段を勉強していきましょう。
もし独立系FPの副業に興味のある場合は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。
また、「未経験から独立系FPを育成する講座」の新規受講者も募集しております。僕や実際に独立系FPとして活躍する先輩が相談に乗りますので、ご興味のある方はお気軽にカウンセリングフォームからお申し込みください。