BLOG 日本にお金を学ぶ文化を創る
独立系FP(お金の先生)という生き方

独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ⑥

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

いつもは独立系FPで成功するためのノウハウを書いていますが、現在は2週間のアメリカ出張中ということで、現地での学びをシェアしていきます。

今回は、ニューヨーク(ウォール街など)を訪問して学んだことや感じたことを書いていきます。

体感の物価は東京の2倍

主に食事とタクシーにお金を使いましたが、体感としては東京の約2倍の物価です。たとえばランチでハンバーガーとドリンクを頼むと、チップ込みで30ドル(約4,700円)を超えることも。

ここ数年で、日本人は貧しくなってしまったことを改めて体感しました。

▼10年前との比較(2015年→2025年)
為替レート: 約120円 → 約155円(約30%の円安)
物価: 食事や交通を中心に20〜30%ほど上昇

つまり、円換算では当時の1.5〜2倍の支出感覚になります。物価上昇(インフレ)に加え、円安がダブルで効いています。

日本人はほとんど見かけない

ニューヨーク市に居住する日本人の数は約26,000人で、全人口の約0.3%に過ぎず、他のアジア系民族と比較しても少ない割合だそうです。

さらに、円安と物価上昇により、日本人観光客の数は以前より減少傾向にあるそうです。実際に、中国人はたくさん見かけましたが、日本人を見かけることはほとんどありませんでした。

東京以上の「人」と「車」の密度

特にマンハッタンの中心部は、東京以上の密集感があります。

一方通行が多く、道の端では配車・配達・タクシーが頻繁に停車。そのため車線がふさがれ、道路は常に渋滞気味。運転も荒めで、日本のタクシーの安心感が恋しくなりました。

地面から湧き上がる蒸気の正体

街中のあちこちで、マンホールやパイプからモクモクと煙のようなものが出ているのを見かけました。

調べたところ、これは「スチーム管」と呼ばれる都市蒸気暖房システムによるもの。ニューヨークならではのエネルギー供給インフラですが、景観的にはやや異質に感じます。

世界的な金融機関の存在感

街中では、バンク・オブ・アメリカやJPモルガン・チェースなど、世界的な金融機関のロゴを頻繁に見かけました。

欧州や日本と比べても、その「看板の多さ」や「店舗の堂々たる存在感」から、ニューヨークが金融都市としての中枢であることを改めて実感しました。

その中でも、日本人に馴染みのあるメットライフ生命の自社ビルは大きな存在感でした。

いつもは金融機関の格付けやデータを確認して、倒産リスクを考えていますが、世界の一等地にあれだけの存在感があると、「潰れるわけがない..」と思うほどでした。

ブロードウェイで感じた“陽気さ”

ミュージカル『Wicked』を鑑賞しました。演出や歌のクオリティもさることながら、印象的だったのは観客の反応の大きさ。

曲が終わるたびに拍手喝采。公演後はスタンディングオベーション。アメリカ人の陽気さや表現力の豊かさを肌で感じられる時間でした。

日本の劇団四季を鑑賞した時とは大違いで、表現力の高いアメリカ人にとって舞台はそれほど価値ある場所であり、出演者も気持ちいいだろうなと感じました。

チャージング・ブルは悪天候でも大人気

投資における上がり相場の事を雄牛の突き上げる角をイメージしてブルと言いますが、投資好きなら誰もが訪れたいウォール街の象徴「チャージング・ブル」を見れました。

そして、チャージング・ブルはゲリラ的に設置されたアート作品だということに驚きました。

▼作者
アルトゥーロ・ディ・モディカ(Arturo Di Modica)
イタリア出身のアーティストで、ニューヨーク在住でした。

▼設置日
1989年12月15日早朝
ニューヨーク証券取引所(NYSE)のすぐ近く、ウォール街にあるボウリング・グリーン公園の前に、無許可で突然設置されました。

▼意図
1987年のブラック・マンデー(株式市場の大暴落)からの経済回復とアメリカの力強さを象徴する作品として、自費(約36万ドル)で制作。
「ブル(雄牛)」は金融市場において「強気相場(上昇相場)」の象徴であり、アメリカ経済の再生への希望が込められていました。

▼その後の展開
当初は警察により撤去されそうになったものの、市民や観光客からの人気が高まり、最終的に市が公的にボウリング・グリーンの場所に再設置しました。

この街が持つ象徴性とエネルギーを強く感じられるスポットであり、チャージング・ブルは思っていた以上に大きく、悪天候でも観光客が列を作って記念撮影していました。

チップ文化への理解

ニューヨーク滞在中に何度も直面したのが、チップ文化でした。

チップに馴染みのない日本人としては「何に対する支払いなんだろう?」という感覚がありましたが、「郷に入っては郷に従え」の精神でやってみると、少しずつ受け入れ方が変わってきました。

たとえば、もともと商品やサービスに対する割引されていて、そこに「良いサービスだったら、感謝として上乗せする」という考え方をすれば、「自分の意思で気持ちを込めて払える」という点で、消費者としても満足度が高くなるように感じました。

一方で、印象に残った出来事もありました。あるレストランで店員さんの接客態度が悪かったため、チップを渋ったところその場で店員さんが怒っていました。

アメリカではチップは「評価」の域を超えて、「収入の一部」として根付いているのかなと思いました。

独立系FPとして、チップ文化についてはより理解を深めていきたいところです。

アメリカ・プエルトリコ旅は終了

マイアミ→プエルトリコ→ニューヨークの旅が終了しました。独立系FPとして、とても刺激と学びの多い時間を過ごすことができました。

最後に、旅全体で感じたことをまとめる記事を書こうと思います。独立系FPに興味のある方はぜひ他の記事もご覧いただけると嬉しいです。

「独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ」
「独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ②」
「独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ③」
「独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ④」
「独立系FPがアメリカで世界の金融を学ぶ⑤」

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