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独立系FP(お金の先生)という生き方

独立系FPの年収を決める5大要素と伸ばし方

未経験から独立系FP(ファイナンシャルプランナー)を育成するワンクエスト代表の井 章弥です。

この記事では、僕が独立系FPとして約10年間、現場で培ってきたリアルな経験をもとに「独立系FPの年収を決める5大要素」と、それぞれの収益モデルごとに「年収を伸ばす具体的な方法」をお伝えしていきます。

特にこれからフリーランスとしてFPの道を選ぼうとしている方や、資格を取ったばかりの方には役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

独立系FPの年収を決める5大要素

独立系FPとして安定的かつ高収入を目指すためには、いくつかの重要な「年収を決めるポイント」があります。

ビジネスの戦略を考えずに「スキル」や「知識」を磨くだけでは、思うように収入が伸びないのが現実です。

僕自身が10年間の現場で体感してきた中で、特に成果に直結したと感じる「5つの要素」をご紹介します。

① 身近な人からの信頼を積み重ねられるか

独立系FPとしてビジネスを築くうえで、家族や友人を顧客にするかどうかは個人の判断ですが、少なくとも「身近な人から信頼される存在であること」は欠かせません。

なぜなら、日頃から近くにいる人に信頼されていない人が、SNSや初対面の相手に信頼されることはまずないからです。

もし、独立系FPとして身近な人のお金の相談に乗る場合は「売り込まないこと」が大切です。

売るのではなく、役立つ情報を自然に提供し続けること。たとえば、家計相談に関する豆知識や、税制のちょっとした変化など、相手にとって価値のある情報をさりげなく届ける習慣が大切です。

身近な人が自分を独立系FPとして信頼してくれれば、そこから自然と口コミや紹介が広がり、ビジネスは立ち上げ当初からスムーズに軌道に乗りやすくなります。

②パワーパートナーを作れるか

独立系FPとしてビジネスを続けていく中で、深い信頼関係を築ける顧客やビジネスパートナーの存在は、欠かせない要素です。

特に、自分の価値を理解し、積極的に周囲へ紹介してくれる人は「パワーパートナー」と呼ばれ、ビジネスの成長において極めて大きな存在になります。

紹介といっても、単純に「1人が1人を紹介してくれる」程度ではありません。ときには、たった1人のパートナーから10人以上の新しい顧客につながることもあります。それほどまでに、信頼関係のある相性の良いパートナーの存在は、大きな波及力を持っています。

③SNSでの影響力をつけられるか

SNSは、いまや「名刺以上の存在」です。

僕自身、ブログやX(旧Twitter)、Instagramを通じて、見ず知らずの方から相談依頼をいただく機会が格段に増えています。

ポイントは「専門知識×独自の解釈」で発信すること。たとえば、制度変更のニュースに対して「自分はどう思ったのか」を解説した投稿は反応が良いです。

フォロワーが増えれば、顧客やパワーパートナーが増えていきます。SNSの発信にはコツがありますが、少しずつ学んでいきましょう。

④マネージャーとして組織を持てるか

ひとりでできる仕事量には限界があります。一定の収益を超えるためには「チームを組む」ことが必要になります。

たとえば、若手FPを育てる、アシスタントをつける、事務処理や集客を分担するなど。

これにより、自分はより価値の高い業務(=コンサルティングや経営判断)に集中でき、結果的に年収も伸びやすくなります。

ただし、マネジメントには「教える力」「任せる勇気」「仕組み化」が必要です。そこを乗り越えられるかが、成長の分岐点になります。

⑤経営者として仕組みを作れるか

経営者の視点でビジネスモデルを構築する力があれば、年収はより高いところで安定していきます。

「仕組みを作る」ことは、属人的な働き方から脱却し、収益が再現性をもって生まれるモデルに変えていくことを意味します。

たとえば以下のような仕組みです。

・組織単位での提携先を作り、集客を安定させる
・フロー型(単発)ではなく、ストック型(継続)のビジネスに取り組む
・自社で商品(サービス)開発をして、マーケティングを外部委託する

重要なのは「自分が動かないと収益が生まれない状態」から「仕組みによって売上が生まれる状態」へと、ビジネスの構造そのものをアップデートすることです。

収益モデル別に見る伸ばし方

独立系FPの収入源は多様化しています。

相談料だけで稼いでいるイメージがあるかもしれませんが、独立系FPの多くは相談料以外にも顧客ファーストを貫きながらマネタイズしています

この章では、主な収益モデルを3つに分け、それぞれの伸ばし方や具体的な取り組み方について解説していきます。

相談料モデル

一般的な独立系FPのビジネスモデルである一方で、戦略的に動かなければマネタイズが難しいため、理解を深めていきましょう。

【ライフプラン表の作成力を高める】

相談料をいただくビジネスにおいて、価値の源泉は「わかりやすく、納得できる提案」ができるかどうかです。その中でも特に重要なのが、クライアントの人生を見える化する「ライフプラン表」の作成スキルです。

ただ数字を並べるだけでは意味がなく「どんな人生を歩みたいのか」「どのくらいの投資リスクを取るべきか」など、クライアント以上にクライアントの人生に本気になり、期待以上の提案をすることが重要です。

ヒアリング力・提案力・Excelや専用ソフトの操作スキルなど、総合力が問われます。

【富裕層を対象にする】

相談料モデルは富裕層を対象にしなければ、収益は安定しません。

一般的な年収や資産の方に「お金を払ってでも相談したい」というニーズは少なく、あったとしても単発の相談で終わることがほとんどです。

相談料モデルで独立系FPの年収を上げていきたい場合は、資産1億円以上の富裕層を対象にマーケティングやサービス内容を考えましょう。

富裕層ビジネスをされている方や士業の方とうまく提携して、ビジネス展開するのがお勧めです。

スクール(教育事業)モデル

相談料モデルは富裕層にしか響きづらいかもしれませんが、スクール(教育事業)モデルであれば、一般層からも高い需要があります。

特に、投資に興味を持つ人が増えている近年では、お金を払ってでも投資の知識を身につけたい人が増えています。

【SNSの影響力を高める】

このモデルにおいては、SNSでの情報発信がそのまま集客チャネルになりやすいため、継続的な投稿とフォロワーとの信頼構築が必須です。

僕の友人の独立系FPは「浪費家を脱却した方法」で情報発信を始め、たくさんのフォロワーを抱えた後で、スクールビジネスを成功させています。

【影響力ある人とコラボする】

SNS発信が苦手な場合は、すでに影響力を持つ人と組むという戦略も有効です。

・フォロワー1万人超のインフルエンサーと共同セミナーを開催
・地元の人気経営者の顧客に向けた限定講座

など、「信頼を借りる」ことで、短期間でも大きな反響を得ることができます。

商品紹介モデル

独立系FPだからといって、全く商品を取り扱ってはいけないわけではありません。かといって、偏った提案になれば独立系FPとは言えなくなるため、上手くビジネスを構築していきましょう。

【特定の金融機関に縛られない提案】

たくさんの分野で商品を取り扱うことで、中立的な立場から顧客に貢献できることもあります。複数の保険会社、証券会社、不動産事業者との契約を持ち、比較提案ができると信頼性が高まります。

こちらは書き始めると長くなるため、詳しくは『他のFPと差をつける!独立系FPのブランディング戦略』をご覧ください。

【投資であれば預かり資産を増やす】

証券系商品の場合、手数料収入ではなく「預かり資産残高に応じた報酬(残高報酬型)」を選ぶことで、ストック型収入を作ることが可能です。

そのためには、
・長期投資の継続支援(リバランス提案)
・定期的なフォローアップ面談
・マーケット変動時の適切な情報提供

など、顧客との継続的な関係性が重要です。

【保険であれば顧客数を増やす】

保険紹介の場合は、単価よりも「成約件数=顧客数」が収入を左右します。短時間で信頼を得て、興味を持ってもらうための導線設計が必要です。

・無料セミナー→個別相談の流れ
・家計診断キャンペーンでリスト獲得
・紹介制度の設計

などを活用して、面談件数を増やしていきましょう。

【信頼できる提携先を作る(不動産や士業)】

FP一人ではすべてをカバーできません。特に住宅購入や相続対策などの相談では、不動産会社や税理士、司法書士との連携が強力な武器になります。

「紹介すると手数料が入る」だけでなく、「信頼できる提携先がいるからこそ顧客に安心してもらえる」ことが、継続的な相談依頼に直結します。

いかがでしたか?

独立系FPとして安定した収入を得るためには「スキル」や「知識」だけでなく、ビジネスとしてどう組み立てるかが重要です。もし独立系FPに興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧になってみてください。

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